『海事交通研究』第68集寄稿論文、 「2019年山縣勝見賞」、 補助金助成申込みの募集のお知らせ

当財団は、新年1月7日(月)より、以下三事業の募集を致しますので、夫々の募集要領(又は、早見表)をご覧の上、末尾の連絡先宛、是非ご応募・お問合せをお願いします。

1.海事交通研究第68集寄稿論文募集
当財団は、『海事交通研究』(年報)を1965年(昭和40年)11月に創刊し、海運とその周辺分野に関する最新の研究成果を発表して参りました。≪募集要領へ≫

2.2019年山縣勝見賞の募集
当財団は、2008年に創立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海事交通文化の調査・研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を表彰しております。≪募集要領へ≫

3.2019年度補助金助成申込みの募集
当財団は、海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への補助金助成活動を行って参りました。≪募集要領へ≫


 

※※※※ 1.『海事交通研究』第68集への掲載論文の募集要領 ※※※※

 

1. 募集対象分野:海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする
論文等で以下のいずれかでお願いします。
(1)「指定テーマ」:
①近代化以前の海上輸送と物流(「論文」形式でお願いします。)
②自律運航船技術の開発進展状況について(論文」形式でお願いします。)

(2)「自由テーマ」:執筆者の希望するテーマで、原則として「論文」形式とします。

2. 応募資格者:どなたでも応募出来ます。

3. 応募原稿 :未発表のもので、原則日本語としますが、相談に応じます。共著も可。

4. 容量:A4版縦置き横書き(40字×40行)で10ページ(目次・図表・注等を含む)を目安としますが、最大12ページまでを厳守して下さい。

5. 応募・審査手順:
(1) 以下につき、ご了承の上、ご投稿をお願いします。
①二重投稿・剽窃・自己剽窃とみなされる論文等の投稿は不可。
②著書や新聞等の文献から引用した場合及び発想を転用した場合は、出典(著者名・
タイトル・発行所名・発行年月等)を明記する。但し、インターネット上の資料を利用した場合は、URLとアクセスした日付を明記する。

(2) 論文等執筆の申請をされる方は、年報掲載論文等執筆申請書(以下「申請書」という)を2019年1月7日(月)~2月28日(木)の間に、メール・郵便(2月28日消印まで有効)又はFAXによりお送り下さい。

(3) 当財団の「年報掲載作品編集委員会」(以下「編集委員会」という)が提出された申請書を審査し、論文等の執筆を応諾するかどうかを3月末までにご連絡致します。

(4) 原稿は2019年7月20日(土)までに、メールに添付して送るか、USBメモリ等記録媒体によりお送り下さい。

6. 提出論文の年報への掲載に際しては、査読(注)を経て、編集委員会での審議にて決定し、9月下旬頃までにお知らせします(論文以外の形式で執筆された作品は査読の対象外です)。発行は、11月下旬~12月中旬の予定です。
(注)査読は、大学または大学に準ずる教育研究機関において教育研究の経験のある者、および民間企業等で実務経験のある者の中で、査読対象の論文の研究分野に精通している者によって行い、①新規性・独創性、②有用性、③信頼性・公平性・客観性、④首尾一貫性、課題達成度、具体的提案、⑤読みやすさを評価項目とします。

7. 原稿料:年報に掲載された論文等については当財団所定の料率にて原稿料をお支払します。

以 上

 

過去の年報掲載論文についてはこちらから


 

※※※※ 2.「2019年山縣勝見賞」の募集要領 ※※※※

 

1. 募集対象分野:海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする著作
(共著も可)、論文並びに業績

2. 募集開始日 :2019年1月7日(月)

3. 応募締切日 :2019年3月31日(日)(当日の消印有効)

4. 賞の種類及び対象:
① 著作賞  海事関係の単著又は共著で、2016年1月1日から2018年12月31日までの間に発表されたもの。
(30万円)
② 論文賞 海事関係論文で、上記と同期間に発表されたもの。
(20万円)
③ 功労賞 海事交通文化の発展に顕著な業績のあった個人。 特にその業績の対象期間は問わない。
(20万円)
④ 特別賞 上記三賞に匹敵する功績が認められる個人又は法人並びにその事業
(20万円)
尚、既に他の学会又は団体などから受賞している場合でも受賞の資格を有するものとします。

5. 応募手続:応募は、個人・団体の推薦又は自薦によるものとします。
応募者は、山縣勝見賞推薦/申請書に当該書籍/論文を1部添付の上、提出して下さい。 (書籍は後日返却します。)
尚、推薦/申請書のExcelフォームが必要な方、その他詳細についてはお問い合わせ下さい。

6. 受賞者の発表:受賞者の氏名等は、2019年6月上旬までに当財団のホームページ、その他海事関連のメディアを通じて発表します。
尚、受賞者への贈呈式は2019年7月15日の「海の日」の前後に行います。

以 上


 

※※※※ 3.2019年度補助金助成申込みの募集要領 ※※※※※

 

1. 募集対象分野:海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への支援・助成

2. 募集開始日 :2019年1月7日(月)

3. 応募締切日 :2019年2月28日(木)(当日の消印有効)

4. 申請条件  :
(1) 2019年4月から2020年3月までに実施する事業であること

(2) 収益を目的とする事業は対象とせず、海事交通文化の振興又は調査研究に関連する事業であること

(3) 既に実施している事業で、その実績が一定の評価を得ているもの、又はこれから実施しようとする事業の場合は、当該事業を実施するための実態的な人材・知見が整い、事業目的が明確に示されていること

(4) 本助成金を利用して活動した後、本助成金の使途に関する事後報告を速やかに行うこと

5. 申請手続 :補助金助成申請書(又はこれに代え、募金趣意書など)を提出して下さい。

6. 審査結果の発表:助成審査委員会(2019年3月上旬開催予定)により審査し、理事会(2019年3月中~下旬開催予定)に答申。結果は、4月上旬までに申請者宛連絡します。

以 上


 

【以上三事業の申請書等の送付先・問合わせ先】
一般財団法人 山縣記念財団
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-3 正和ビル5F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp

『海事交通研究』(年報)第67集を発行しました。


≪序文から≫
  今年は「明治150 年」であると同時に、「平成」も来年には改元となる区切りの年に当たり、また、2020 年には「東京オリンピック・パラリンピック」の開催を控え、各分野において、近代日本が歩んできた軌跡の中の「光」と「影」の部分の双方を「等身大」に総括し、未来に向かって生かしていこう、という気運が盛り上がっていることと思います。
  海運の世界では、日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船三社が共同で設立した定期コンテナ船事業会社「オーシャン ネットワーク エクスプレス」(ONE)が本格的に始動し、久し振りに業界地図に変化がありました。

  さて、今号では、2 つの指定テーマに対して8 編の応募があり、自由テーマも含めて11編を掲載することが出来ました。昨年度より、応募論文を対象に「査読」を導入しましたので、執筆者並びに査読者の皆様に多大な労力をおかけしましたが、それだけに充実した内容になっていると思います。また、「研究論文」のほかに「研究ノート」、「活動報告」も併せて掲載しています。関係各位に心から感謝申し上げる次第です。

  「指定テーマ1:海運・港湾と地方創生」では、2 編の研究論文と1 編の研究ノートを掲載致しました。水野氏の「地方港湾への外航クルーズ客船の寄港による地方創生」では、今や九州の主要港だけでなく、全国の各港に広がりつつあるクルーズ船の寄港が、地方創生に与える影響について総論を述べて頂き、次の亀山氏・佐伯氏の共著「北九州港ひびきコンテナターミナルに寄港したクルーズ船の船員の観光行動の規定要因」では、業務による訪日とはいえ、結果的にリピーターである船員の観光行動の中にも「モノ消費からコト消費」への志向の変化が見られることが指摘されています。また、行平氏の「愛媛県と大分県を結ぶフェリー航路を活用した地域振興」では、フェリー航路の到着港である臼杵港の利用客を、どうしたら地元・臼杵市内の観光地に誘客出来るかについて、知恵を絞った記録が記されています。

  「指定テーマ2:海事教育の現場から」は、2017 年3 月末に公示された小・中学校の「新学習指導要領」で、長年、海事関係団体の念願であった、海事産業が果たす重要な役割について盛り込まれたことを受け、1 編の研究論文と4 編の活動報告を掲載致しました。先ず最初に、木村氏の研究論文「小学校社会科における海運教育の変遷と今後の課題」で、戦後の社会科において「海運」が、学習指導要領で如何に位置付けられ、教科書に如何に記述されてきたかの変遷並びに今後の課題について述べて頂きました。木村氏の言われる通り、外航海運は「グローバル化する国際社会」について学習する際の格好の素材であり、今後の社会を担う子供達に、海運に対する理解が育っていくのは楽しみです。続いて、木村氏と協力して教材作りに励んでこられた村上氏が、「海洋国家日本の社会科の在り方を問う」で、地元尾道糸崎港が世界と如何につながっているかを生徒に気づかせることを通して、我が国の港湾の課題を捉えさせようとした授業の記録が公開されました。さらに、郡司氏は、歴史的に多様な輸送手段が併存している北海道・函館の地において、輸送手段が多様化する現代における「海上輸送の役割や可能性を追究する単元の開発」というテーマに生徒たちとともに取り組んだ報告をされました。さらに、古賀氏は「持続可能な開発のための教育(ESD)としての海洋教育の推進」において、校区にある世界文化遺産(明治日本の産業革命遺産)である「三池港」が、石炭産業を中心とした市の発展に果たしてきた役割を振り返るとともに、これからの持続可能な社会構築のために自分たちに何ができるかについて、考えさせる授業について報告をされました。最後に、後藤氏と猪野氏は、「南陽市海洋キャリア教育セミナーの報告」において、海を見ることの少ない内陸地・山形県南陽市で、2016 年以降毎夏中学2 年生を対象に開催された、「海洋キャリア教育セミナー~海の仕事へのパスポート~」の開催に至った経緯と内容についての報告をされています。
  この「海事教育の現場から」の各編については、是非、全国の小・中学校の先生方にもお読み頂き、参考にして頂きたく、今後、各チャンネルを通じて、先生方からアクセスが可能となるように努めていく所存です。

  次に、「自由テーマ」としては、2 編の研究論文と1 編の研究ノートが寄稿されました。
神田氏の「海洋プラットフォームの周辺海域における航行の自由」では、今後、日本でも活発化していくであろう海底資源開発の拠点となる「海洋プラットフォーム」の安全とともに、周辺を航行する船舶の安全をいかに確保するかについて、法律面を含めた考察がなされています。また、長谷氏の「日本の海運に係る環境政策の策定過程とその対応」では、最近の日本政府の海運に係る環境対策、特に温暖化対策及び大気汚染対策の策定に当たって、如何に科学的知見は踏まえられたのか、その政策立案過程について述べられています。最後に、高橋氏は、「共同海損法の日中台比較」で、共同海損の国際的約款であるヨーク・アントワープ規則に加え、これを参照して各国の法規を改正することが潮流となっていますが、その対応について一部、日・中・台湾において異なる部分があることを指摘しています。

  さて、来年度の指定テーマには、「近代化以前の海上輸送と物流」と「自律運航船技術の開発進展状況について」という「過去」と「未来」の対照的な2 つのテーマを選びました。
私どもの生きている「今日」のこの場は、時間的には、過去、そして未来へとつながっています。同時に、空間的には、海を介して、世界中とつながっています。物事を見る時、身の回りの事物や人の動きが、時間的に、或いは空間的に、どのように、過去・未来や、世界とつながっているのか、自分達の今のやり方が、本当にベストなのか、他の社会ではどうなのか等について、興味をもって見つめることが大切だと思います。
  最後に、今号も無事にこのように多彩な論文等を皆様にお届け出来ることに感謝すると共に、来年度も、広い視野に立った海事関連の論文等が多数寄せられることを期待しています。

2018年12月
                            一般財団法人 山縣記念財団
                             理事長    郷古 達也
 

 

  12月19日発行後、海事関連の研究者の皆様や企業、団体並びに公立や大学の図書館に配本しました。配本先図書館等は、こちらからご覧ください。
  なお、お手許にお取り寄せご希望の方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、またはお電話にてお申込み下さい。
  また、本誌をお読みになってのご感想・ご意見なども是非お寄せ下さい。       

一般財団法人 山縣記念財団

お問い合わせフォーム
TEL(03)3552-6310

 
≪目次≫
序文 郷古 達也
【指定テーマ1 海運・港湾と地方創生】
  ≪研究論文≫
     地方港湾への外航クルーズ客船の寄港による地方創生 水野 英雄
     北九州港ひびきコンテナターミナルに寄港したクルーズ船の
     船員の観光行動の規定要因
     -Norwegian JoyとCosta Serenaの事例から- 亀山 嘉大・佐伯 直克
  ≪研究ノート≫
     愛媛県と大分県を結ぶフェリー航路を活用した地域振興
     -大分県臼杵市の事例を中心に-
行平 真也
【指定テーマ2 海事教育の現場から】
  ≪研究論文≫
     小学校社会科における海運教育の変遷と今後の課題 木村 博一
  ≪活動報告≫
     海洋国家日本の社会科の在り方を問う
     -「世界につながる尾道糸崎港」授業紹介-
村上 忠君
     海上輸送の役割や可能性を追究する単元の開発
     -中学校社会科・地理的分野における授業実践を通して-
郡司 直孝
     持続可能な開発のための教育(ESD)としての海洋教育の
     推進
     -世界文化遺産「三池港」を中心とした学習カリキュラムの
     作成と実践を通して-
古賀 正広
     南陽市海洋キャリア教育セミナーの報告
     -内陸部での海洋教育の導入と実践-
後藤 祐希・猪野  忠
【自由テーマ】
  ≪研究論文≫
     海洋プラットフォームの周辺海域における航行の自由
     -オーストラリア北西方海域を事例として-
神田 英宣
     日本の海運に係る環境政策の策定過程とその対応
     -地球温暖化対策及び大気汚染対策に係る科学的知見の
     活用を中心に-
長谷 知治
  ≪研究ノート≫
     共同海損法の日中台比較 高橋 孝治
   ※≪研究論文≫は、査読付き論文です。

                              

 

≪執筆者紹介≫
(掲載順) 
水野 英雄(みずの ひでお)
  名古屋大学大学院経済学研究科博士課程後期課程経済学専攻退学。愛知教育大学教育学部助手、講師、准教授を経て、現在、椙山女学園大学現代マネジメント学部並びに大学院現代マネジメント研究科准教授。専門は、国際経済学、経済政策、貿易政策、教育政策、経済教育で、海事関連では「アジアにおけるクルーズ客船市場」を研究テーマとし、主要論文に「中部地域の観光産業における名古屋港の役割-クルーズ客船による経済波及効果-」、「日本へのクルーズ客船の寄港とカボタージュ規制」(当誌第65 集、2016 年)があるほか、農産物貿易、経済教育や教員養成などに関する多数の著書、論文、研究・教育活動がある。2013 年第1回経済教育学会賞(教育実践部門)受賞。所属学会は日本経済学会、日本経済政策学会、日本国際経済学会、経済教育学会、応用観光研究会、日本観光学会、日本港湾経済学会、日本クルーズ&フェリー学会など。

亀山 嘉大(かめやま よしひろ)
  中央大学経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学博士(経
済学)取得。国際東アジア研究センター研究員、香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)准教授、佐賀大学経済学部准教授を経て、現在、同大学教授。専門は都市経済学、交通経済学、近年は民間資本を活用したクルーズ船拠点港形成に関する経済分析、人口減少時代における災害復興と地方創生に関する空間経済学を手掛ける。その他、高知新港振興プラン検討委員会座長を務める。近著に『復興の空間経済学-人口減少時代の地域再生-』(共著)、論文に「中四国・九州地域における自動車部品供給企業の生産性と輸送を含むマーケットポテンシャル」(2018 年第27 回日本海運経済学会賞(論文の部)受賞)、「佐賀空港におけるインバウンドの拡大とLCC 利用者の旅行行動」がある。所属学会は応用地域学会、日本海運経済学会、日本交通学会、East Asian Economic Association など。

佐伯 直克(さえき なおかず)
  福岡大学法学部経営法学科卒業。鶴丸海運㈱に入社後、港湾荷役、陸上運送等の業務に従事。同社退職後、北九州市役所に入職。産業学術振興局商業振興課を経て、港湾空港局物流振興課、港湾空港局港営課でポートセールスの業務に従事。現在、港湾空港局クルーズ・交流課に所属し、クルーズ船の誘致に従事している。その他、シンガポールや香港のクルーズ拠点港の調査訪問を実施している。

行平 真也(ゆきひら まさや)
  長崎大学水産学部水産学科卒業。九州大学大学院生物資源環境科学府修士課程中途退学。大分県入庁。水産振興課、農林水産研究指導センター水産研究部を経て、中部振興局農山漁村振興部において3 年間、臼杵市の水産業普及指導員として水産振興、地域振興に関わる。和歌山大学より博士(工学)を取得。大分県庁を退職し、大島商船高等専門学校商船学科助教に就任。現在、同准教授。専門分野は「海を活かしたまちづくり」。臼杵市市政アドバイザー。愛媛県西伊予・大分中部地域間交流促進協議会アドバイザーなどを拝命。著書として『魚で、まちづくり!大分県臼杵市が取り組んだ3 年間の軌跡』がある。2014 年日本航海学会奨励賞受賞。所属学会は日本航海学会、日本沿岸域学会など。

木村 博一(きむら ひろかず)
  広島大学教育学部卒業。広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程修了。
愛知教育大学助手、助教授、広島大学学校教育学部助教授などを経て、現在、広島大学大学院教育学研究科教授、広島大学附属三原幼稚園・小学校・中学校長。博士(教育学)。専門分野は社会科教育学。社会科教育史研究、社会科授業開発研究などに取り組んでいる。主な著書に『日本社会科の成立理念とカリキュラム構造』、『農業を学ぶ授業を創る』、『「高齢者福祉」を学ぶ授業づくりの探究』、『社会科教材の論点・争点と授業づくり 第2巻 “グローバル化”をめぐる論点・争点と授業づくり』などがある。所属学会は全国社会科教育学会(副会長)、日本社会科教育学会(評議員)、日本教科教育学会(常任理事)、日本グローバル教育学会(理事)、日本教育学会、日本カリキュラム学会、日本教育方法学会など。

村上 忠君(むらかみ ただきみ)
  神戸学院大学法学部法律学科卒業。因島市立土生小・田熊小教諭、広島大学附属三原小学校教諭,府中市立北小学校教頭,尾道市立原田小学校教諭を経て、現在、広島大学附属三原小学校契約教諭。研究教科は社会科。研究テーマは「海から観た社会科」。広島大学大学院教育学部教育学研究科 木村博一教授とともに教材開発を進める。主要論文は、「国際的資質を育てる小学校社会科歴史学習~「ノルマントン号事件」と「エルトゥールル号の遭難」を事例として~」。2010 年経済産業省資源エネルギー庁エネルギー環境教育情報センターの依頼を受け、原子力発電に関する教材開発及び実践内容を講演。「平成26 年度エネルギー教育モデル化推進委員会ワーキンググループ」委員(日本科学技術振興財団)。木村教授と研究サークル「教職人の会」を立ち上げ人材育成にあたる。所属学会は全国社会科教育学会。

郡司 直孝(ぐんじ なおたか)
  北海道教育大学教育学部函館校卒業。北海道教育大学大学院教育学研究科修了。修士(教育学)。長万部町立長万部中学校教諭、鹿部町立鹿部中学校教諭を経て、現在、北海道教育大学附属函館中学校教諭。研究テーマは、資質・能力の育成を実現するための教科等横断的なカリキュラム構築、中学校社会科における課題解決的な学習のための単元構築等。現任校では、研究主任として、次期学習指導要領の趣旨を具現化するためのカリキュラム構築や評価・改善の在り方を研究中。2017・2018 年度の2年間、「海洋教育パイオニアスクールプログラム」(日本財団・東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター・笹川平和財団海洋政策研究所)採択校として、中学校社会科・地理的分野における海上輸送に関する単元構築に取り組んでいる。所属学会は日本社会科教育学会、日本消費者教育学会、法と教育学会。

古賀 正広(こが まさひろ)
  佐賀大学教育学部卒業。福岡県大牟田市内の小学校に勤務し、現在、大牟田市立みなと小学校校長。大牟田市では、2012 年に市内すべての公立小・中・特別支援学校がユネスコスクールに加盟し、学校や地域の特色を生かした持続可能な開発のための教育(ESD)の推進を行っている。2016 年には、大牟田市教育委員会が、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターとの海洋教育促進拠点としての連携に関する協定を結び、みなと小学校は、大牟田市の海洋教育推進モデル校としてカリキュラム開発等の実践的研究を進めることとなった。それに伴い、推進モデル校の校長として2017 年に大牟田市海洋教育推進協議会委員となり、市教育委員会、東京大学、市内海洋教育推進モデル校の3校と連携して、海を通したESD としての海洋教育の推進にあたっている。

後藤 祐希(ごとう ゆうき)
  山形県長井市出身。東京海洋大学海洋工学部海事システム工学科卒業。2015 年東京海洋大学海事普及会代表として山形県南陽市の海洋教育事業に参画。その後、同大学乗船実習科航海課程修了。現在、同大学院海洋科学技術研究科博士前期課程海運ロジスティクス専攻に在籍中。三級海技士(航海)。専攻は国際法、海事法。所属学会は日本航海学会。

猪野 忠(いの ただし)
  国学院大学文学部史学科卒業。埼玉県および山形県で公立中学校社会科教諭。山形県南陽市教育委員会課長補佐(兼)指導係長、南陽市立赤湯中学校教頭、東置賜郡高畠町立第四中学校校長、南陽市立赤湯中学校校長、南陽市教育委員会教育次長を歴任し、2010年から2018 年3 月まで南陽市教育委員会教育長。教育長として「第五次南陽市教育振興計画」を策定し、地域の教育力を連携・連動・一体化させる「地域総合型教育」による人材育成を推進する。2015 年より同市中等教育課程での海洋教育を主導。2009 年山形県教育功労者表彰、2018 年地方教育行政功労者表彰(文部科学大臣)を受賞。

神田 英宣(かんだ ひでのぶ)
  慶應義塾大学理工学部卒業。東京海洋大学大学院博士前期課程修了。民間企業を経て海上自衛隊入隊。艦艇勤務(護衛艦、砕氷艦、輸送艦)、海上自衛隊幹部候補生学校教官、防衛庁防衛政策局BMD 研究室、統合幕僚会議事務局第5 室、海上幕僚監部防衛部、第1術科学校生徒隊長、防衛研究所政策研究部を経て、防衛大学校防衛学教育学群戦略教育室准教授。専門分野は海洋安全保障。主な論文に、「ギニア湾の海賊対策-国際協力と課題」(当誌第65 集、2016 年)、「海洋における軍事活動の無人化-USV・UUV の自律能力の射程」、「海洋の非伝統的安全保障-オーストラリアの脅威認識と対応」、「海底ケーブルの海洋管轄権-サイバー空間における防御機能の追求」、「有人国境離島の排他的経済水域における海洋保護区設定」(2017 年第9 回「海の日」論文優秀賞受賞)がある。所属学会は国際安全保障学会、日本防衛学会、日本島嶼学会。

長谷 知治(はせ ともはる)
  東京大学法学部卒業。運輸省(現国土交通省)入省。運輸省運輸政策局貨物流通企画課、近畿運輸局運航部輸送課長、国土交通省海事局総務課専門官、同油濁保障対策官(外航課課長補佐併任)、人事院在外派遣研究員(英国運輸省海事局)、東京大学公共政策大学院特任准教授、国土交通省総合政策局地球環境政策室長、鉄道・運輸機構総務課長等を経て、東京大学公共政策大学院特任教授。船舶職員法、油濁損害賠償保障法の改正や、油濁損害に係る追加基金議定書の策定等に従事。当誌第59 集、2010 年掲載論文「環境に優しい交通の担い手としての内航海運・フェリーに係る規制の在り方について~カボタージュ規制と環境対策を中心に~」は、2011 年山縣勝見賞論文賞を受賞。所属学会は日本公共政策学会、日本海洋政策学会。

高橋 孝治(たかはし こうじ)
  日本文化大学法学部卒業。法政大学大学院修了(会計修士・MBA)。都内社労士事務所勤務の傍ら放送大学大学院修了(修士(学術)、研究領域:中国法)。中国政法大学刑事司法学院博士課程修了(法学博士)。立命館大学および九州産業大学客員講師、台湾勤務を経て、現在、立教大学アジア地域研究所特任研究員。研究領域は、比較法(中国法・台湾法)、中国社会を素材にした法社会学。特定社労士有資格者、行政書士有資格者、海事代理士有資格者、法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)。著書に『ビジネスマンのための中国労働法』、『中国年鑑2018』(共著)など。論文に「中国における劇場的法律観という試論」「高等教育における分離区分への疑義――法学と数学を素材にして――」(科学・技術研究 2018 年第2 回優秀論文賞受賞)など。所属学会はアジア政経学会、日中社会学会、東アジア学会など。

                                                   (敬称略)

冬季休業のお知らせ

2018年12月27日(木)から2019年1月6日(日)まで冬季休業とさせて頂きます。

「第46回我ら海の子展」を後援しました。

「第46回我ら海の子展」(主催 一般財団法人サークルクラブ協会、公益社団法人日本海洋少年団連盟)の授賞式が2018年8月17日ホテル・ニューオータニ(東京)にて開催され、当財団は後援団体として参加しました。
全国の中学生、小学生、幼児から6,243点の応募がありました。
その内、国土交通大臣賞3作品(中学生の部、小学高学年、低学年以下の部)はじめ、主催者、後援者、個人審査員による特別賞、金賞、銀賞並びに東日本大震災を機に創設された「がんばろう日本賞」の合計61作品に各賞が贈られました。

(※以下の写真をクリックすると、拡大画像が表示されます。)
1.集合写真
「第46回我ら海の子展」授賞式後の集合写真
2018.8.17 於ホテル・ニューオータニ(東京)


山縣記念財団理事長賞には長崎県の中学3年生、長嶋 かのこ(ながしま かのこ)さんの
絵画「波紋」が選ばれ、当財団郷古理事長より長嶋さんに賞状が贈られました。

2.作品  

3.授与


今後、受賞作品展示発表会が全国を巡回予定です。
展示会の日程は、以下の通りです。

・ 8月 9日(木)~ 9月 4日(火)銀座ギャラリー(東京メトロ銀座駅・日比谷駅間の地下連絡通路)
・ 9月29日(土)~10月28日(日)アクアマリンふくしま(福島県いわき市小名浜字辰巳町50)
・ 11月 5日(月)~11月16日(金)国土交通省 1階ロビー(平日のみ)
・ 12月 8日(土)~ 1月 6日(日)海の科学館(香川県琴平町)
・ 1月16日(水)~ 2月17日(日)氷川丸(横浜市中区山下町山下公園地先)

 

夏季休業のお知らせ

2018年8月13日(月)から15日(水)まで夏季休業とさせて頂きます。

2018年山縣勝見賞贈呈式開催

 当財団が海事交通文化の研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰するために、2008年に創設した「山縣勝見賞」は本年第11回目を迎え、7月20日(金)「2018年山縣勝見賞」の贈呈式を、海運クラブにて開催致しました。

「2018年山縣勝見賞」贈呈式における受賞者記念撮影 2018年7月20日 於海運クラブ
左から谷川夏樹氏(特別賞)、今津隼馬氏(功労賞)、畑本郁彦氏(論文賞)、岸本宗久氏(著作賞)
(写真をクリックすると大きくなります。)

 受賞者、受賞者略歴、受賞理由は以下の通りです(敬称略)。

 なお、来年2019年の山縣勝見賞(著作賞、論文賞、功労賞、特別賞)は、2019年1月初旬から3月末まで募集致しますので、是非奮ってご応募下さい。募集要領こちらの中央の項目「2.「山縣勝見賞」の募集」をご覧下さい。

≪著作賞≫

岸本宗久(きしもとむねひさ)編著『海上衝突予防法史概説』
(成山堂書店2017年2月発行)

受賞者略歴
 1937年生まれ。東京商船大学商船学部航海科卒業、太平洋海運(株)入社(海上勤務)、その後甲種船長免許(現、一級海技士(航海))、海事補佐人登録、1974年明治大学法学部法律学科卒業、1976年 小川田川二宮法律事務所(現、小川総合法律事務所)入所。以降、海事補佐人として各種海難審判補佐並びに海難事故調査に従事する。現在、日本海事補佐人会副会長、日本船長協会理事。著書に『船舶衝突の裁決例と解説』(共著、成山堂書店)、論文に「マラッカ王国海法」(日本船長協会)、「舷灯考」(海洋会会誌『海洋』)など。

受賞理由
 長い間、船舶の衝突を予防する方法は船員により、なかば慣習的に実施されてきたが、成文化されたのはわずか150年ほど前のこととされている。本書は、成文化されるはるか前の時代から現在までの衝突予防策から法制度までを、世界各国の法令・条約の変遷に言及しながら、多くの学術書にありがちな難解な用語や表現を可能な限り少なくし、大変読みやすい平易な文章で、初心者でも理解しやすいように書かれている。また、海上衝突予防法の抱える問題を過去・現在・未来にわたって網羅した歴史書的な一面も併せ持つ、啓蒙的な示唆に富む著作となっている。

≪論文賞≫

畑本郁彦(はたもとふみひろ)著「内航船の安全管理体制構築に関する研究」
(神戸大学大学院海事科学研究科/海事科学専攻 博士学位論文2017年9月)

受賞者略歴
 1970年生まれ。広島商船高等専門学校機関科卒業、川崎汽船(株)入社(海上勤務)。(株)海洋総合技研取締役、(株)海総研テクノフィールド代表取締役、NPO法人日本船舶管理者協会理事等を歴任し、現在成進海運(株)(機関長)勤務のかたわら、日本船舶管理者協会技術顧問。また、2000年広島大学工学部第一類(機械系)卒業(工学学士)の後、2017年神戸大学大学院海事科学研究科博士課程修了。一級海技士(機関)、海事補佐人。発表論文として、「内航海運の船舶管理における法的側面の課題」(『日本航海学会論文集』第136号)、「内航海運における船舶管理業務に関するガイドラインの改善」(日本海運経済学会『海運経済研究』第51号)など。

受賞理由
 日本の内航海運は、船員問題をはじめとする諸問題に対し、国土交通省の主導の下、グループ化による船舶管理会社を設立し、業務の効率化を推進する船舶管理会社活用政策を展開しているが、管理会社の安全品質が明示されていないことなどの理由で、実現されていないのが実情である。そのような現実的な問題意識に基づき、内航船の安全管理体制を構築する内航海運に必要な施策を具体的且つ分かりやすく明らかにしている点で大いに評価できる。また、日本船舶管理者協会・技術顧問として実務上の問題に日々向き合い、学界・業界の最先端の知見を得ながら問題解決に尽力している点で、学術的にも実務的にも非常に価値の高い論文と言える。

≪功労賞≫

今津隼馬(いまづはやま)(東京海洋大学名誉教授)

受賞者略歴
 1945年生まれ。東京商船大学商船学部航海科卒業。東京大学工学部、大学院工学研究科非常勤講師、東京商船大学商船学部教授を経て、東京海洋大学海洋工学部教授、理事・副学長を歴任。その間、船舶技術研究所、海上保安庁、交通政策審議会、人事院の研究員・専門委員などを務める。「避航法に関する研究」で工学博士(東京大学)。著書に、『双曲線航法』、『電波航法』(共著)、『避航と衝突予防装置』など。また、「衝突針路を使ったOZT(相手船による妨害ゾーン)を用いた衝突警報の検討」(日本航海学会誌Vol.188、2013年)などの論文がある。2013年、工業標準化(ISO)で経済産業大臣表彰を受賞。現在、東京海洋大学名誉教授。

受賞理由
 同氏は長年にわたり東京商船大学他にて教鞭を執られ、以来我が国の航海学界を牽引されてきた。その間、日本航海学会の副会長を歴任し、日本航海学会賞を二度受賞、また、多数の著書や論文を通じ、我が国航海学の第一人者であり続けてきた。また、学会の発展と有為な人材の育成に尽力し、多大な功績を果たした。

≪特別賞≫

谷川夏樹(たにがわなつき)(画家)

受賞者略歴
 1976年生まれ。兵庫県在住。13歳から独学で油絵を描き始める。2000年から、EARTHにARTという言葉が含まれることから、屋号をEARTH CONTAINERとして、コンテナを経済のみならず文化的側面から捉える作家活動をはじめる。油彩による平面作品と平行して、実物のコンテナに「コンテナくん」の顔をペインティング。世界を旅する本物のコンテナを通じてアートと社会の関わりについての可能性を探っている。2005年第24回新風舎出版賞特別賞受賞。著書に、作品集『EARTH CONTAINER#1-コンテナくん見た?』、『AloAloha!コンテナくんハワイの旅』、『コンテナくん』、月刊『かがくのとも』通巻588号『かもつせんのいちにち』などがある。

受賞理由
 『かもつせんのいちにち』、『コンテナくん』(いずれも福音館書店刊)ほか一連の絵本のモチーフとして船を取り上げ、とりわけ内航船の役割や深刻な船員不足を知り、内航海運の存在を広めようという意識で小学生や未就学児童に船や海運に親しんでもらうための絵本を上梓している。そのような活動を通じ、子供たちのみならず、その親の世代に対しても海事文化の理解に一役買っている点が評価できる。

                                                        以上

第二版発行 『海、船、そして海運―わが国の海運とともに歩んだ山縣記念財団の70年―』

当財団は、2012年9月27日、当時の理事長、田村茂の編著による『海、船、そして海運―わが国の海運とともに歩んだ山縣記念財団の70年―』を発行しました。本書は、当財団の70年の歴史を語るのみではなく、海、船、海運と周辺の話題を、広く、よもやま話風に、それぞれの話を独立させて掲載し、海運関連の事柄に知識と興味をもっていただくことにより、われわれ財団の活動にもご理解をいただければとの思いで書かれました。

今般、本書の発行から5年半を迎え、在庫が些少になった機会に、当財団の主要三事業等に関するその後の資料を追加し、第二版を発行することと致しました。

今後とも、本書が、海、船、海運に関する話題の提供に少しでも役立つことを願っております。

一般財団法人 山縣記念財団

関心をお持ちの方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、ご連絡ください。

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(本の表紙の写真)


本書目次

はじめに
第1部 財団設立前史(前編─明治維新までの話)
第1話 清酒“灘の生一本”と宮水の話
第2話 樽廻船の話
第3話 惣一番船、新酒番船の話
第4話 北前船の話
第5話 船のトン数は西欧ではワイン樽で日本では米俵で決まった
第6話 廻船式目の話
第7話 江戸時代のわが国は内航海運大国であった

第2部 財団設立前史(後編─財団の設立までの話)
第8話 わが国の近代海運業の成立
第9話 明治の初め自前の外航商船隊を持つことが極めて重要であると認識した出来事
第10話 辰馬汽船が株式会社として発展していく話
第11話 辰馬本家酒造や各酒造元の話
第12話 白鹿の銘の話
第13話 神戸が海運市場として発展する話
第14話 外国人居留地の話
第15話 大正時代と昭和初期におけるわが国の近代海運業の躍進の話
第16話 山下亀三郎の話
第17話 和製海運英語であるCharter…Base(チャーター・ベース)の話

第3部 財団設立(1940年)の頃の話
第18話 辰馬汽船の戦前の経営の話(前編)
第19話 辰馬汽船の戦前の経営の話(後編)
第20話 辰馬海上火災と興亜火災海上の話
第21話 海の日と明治丸の話
第22話 南極観測船「宗谷」と辰馬汽船の話
第23話 猫と船の話
第24話 山縣勝見の生い立ちの話
第25話 山縣勝見が辰馬汽船に入社の話
第26話 財団設立の話

第4部 終戦から海運集約まで
第27話 終戦と新日本汽船のスタート
第28話 「春」シップと各日本船社のそれぞれの船名の話
第29話 山縣勝見が船協会長、参議院議員として対米海運交渉に臨む話
第30話 山縣勝見のサンフランシスコ平和条約に向けての海運交渉の話
第31話 山縣勝見とサンフランシスコ講和会議の話
第32話 辰和丸の遭難事故と西宮市満池谷墓地の追悼碑の話
第33話 終戦後の財団活動の話
第34話 財団の年報の話
第35話 海法ゼミナールの話
第36話 由起しげ子「本の話」(芥川賞受賞作品)と財団の話
第37話 佐波宣平博士と財団の話
第38話 計画造船と三島型貨物船の話
第39話 清酒「天下の春」の話
第40話 風見鶏の館と財団の話
第41話 萌黄の館と財団の話
第42話 神戸市立中央図書館の「松本海事文庫」の話
第43話 松本一郎(当財団2代目理事長)の自叙伝が日経新聞(1979/9/4)に掲載された話
第44話 ノアの方船と海事用語の話
第45話 新日本近海汽船の話
第46話 海運集約の話

第5部 YSライン、ナビックスラインそして商船三井へ
第47話 仕組み船の話
第48話 今治船主の台頭の話
第49話 わが国の高度経済成長時のYSラインの話
第50話 オイル・ショックなどの話
第51話 われわれのオフィスの話
第52話 下條哲司先生と財団の話
第53話 海上保険とロイズなどの話
第54話 船の話いろいろ
第55話 船のスピードと減速航行の話
第56話 ナビックスラインのスタートの話
第57話 国際競争力確保のための、厳しいリストラの話
第58話 データーで見るナビックスラインの10年の歩み
第59話 ナビックスラインの10年を振り返って山縣元彦の話
第60話 21世紀に入って海運未曾有の好況の話
第61話 囚人のジレンマ(Prisoner’s…Dilemma)の話
第62話 海運企業が陥る同じ失敗の繰り返しの話
第63話 結びにかえて

第6部 各種資料と史料
その1 『海事交通研究』(年報)への掲載論文、「山縣勝見賞」、補助金助成申込の募集
その2 山縣勝見賞 歴代の受賞者
その3 山縣記念財団役員/評議員在任表
その4 財団刊行の「海事交通研究」(年報)のバック・ナンバー・リスト
その5 財団による主要出版図書の紹介
その6 山縣記念財団の年表


編著者紹介

田村 茂
1939年生まれ。1962年新日本汽船入社。その後、山下新日本汽船、ナビックスライン、ナビックス近海、商船三井近海、商船三井内航など、主として不定期船各部門に従事。2004年より2009年まで乾汽船勤務。2010年7月より2012年12月まで一般財団法人山縣記念財団理事長を務める。編著者による『不定期船実務の基礎知識』(2009年3月刊行)は(社)日本海運集会所による2009年度の「住田正一海事奨励賞」を受賞。(社)日本海運集会所海事仲裁人。2013年没。

以上

2018年山縣勝見賞受賞者決定

 当財団は、2008年に設立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海運を中心とする海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果(著作・論文)や業績を対象として表彰する制度を発足しましたが、このほど「2018年山縣勝見賞」の受賞者が下記の通り決定しましたので、お知らせ致します(敬称略)。
 なお、受賞者への贈呈式は7月20日(金)海運クラブにて行います。

≪著作賞≫

岸本宗久(きしもとむねひさ)編著『海上衝突予防法史概説』
(成山堂書店2017年2月発行)

受賞者略歴
 1937年生まれ。東京商船大学商船学部航海科卒業、太平洋海運(株)入社(海上勤務)、その後甲種船長免許(現、一級海技士(航海))、海事補佐人登録、1974年明治大学法学部法律学科卒業、1976年 小川田川二宮法律事務所(現、小川総合法律事務所)入所。以降、海事補佐人として各種海難審判補佐並びに海難事故調査に従事する。現在、日本海事補佐人会副会長、日本船長協会理事。著書に『船舶衝突の裁決例と解説』(共著、成山堂書店)、論文に「マラッカ王国海法」(日本船長協会)、「舷灯考」(海洋会会誌『海洋』)など。

受賞理由
 長い間、船舶の衝突を予防する方法は船員により、なかば慣習的に実施されてきたが、成文化されたのはわずか150年ほど前のこととされている。本書は、成文化されるはるか前の時代から現在までの衝突予防策から法制度までを、世界各国の法令・条約の変遷に言及しながら、多くの学術書にありがちな難解な用語や表現を可能な限り少なくし、大変読みやすい平易な文章で、初心者でも理解しやすいように書かれている。また、海上衝突予防法の抱える問題を過去・現在・未来にわたって網羅した歴史書的な一面も併せ持つ、啓蒙的な示唆に富む著作となっている。

≪論文賞≫

畑本郁彦(はたもとふみひろ)著「内航船の安全管理体制構築に関する研究」
(神戸大学大学院海事科学研究科/海事科学専攻 博士学位論文2017年9月)

受賞者略歴
 1970年生まれ。広島商船高等専門学校機関科卒業、川崎汽船(株)入社(海上勤務)。(株)海洋総合技研取締役、(株)海総研テクノフィールド代表取締役、NPO法人日本船舶管理者協会理事等を歴任し、現在成進海運(株)(機関長)勤務のかたわら、日本船舶管理者協会技術顧問。また、2000年広島大学工学部第一類(機械系)卒業(工学学士)の後、2017年神戸大学大学院海事科学研究科博士課程修了。一級海技士(機関)、海事補佐人。発表論文として、「内航海運の船舶管理における法的側面の課題」(『日本航海学会論文集』第136号)、「内航海運における船舶管理業務に関するガイドラインの改善」(日本海運経済学会『海運経済研究』第51号)など。

受賞理由
 日本の内航海運は、船員問題をはじめとする諸問題に対し、国土交通省の主導の下、グループ化による船舶管理会社を設立し、業務の効率化を推進する船舶管理会社活用政策を展開しているが、管理会社の安全品質が明示されていないことなどの理由で、実現されていないのが実情である。そのような現実的な問題意識に基づき、内航船の安全管理体制を構築する内航海運に必要な施策を具体的且つ分かりやすく明らかにしている点で大いに評価できる。また、日本船舶管理者協会・技術顧問として実務上の問題に日々向き合い、学界・業界の最先端の知見を得ながら問題解決に尽力している点で、学術的にも実務的にも非常に価値の高い論文と言える。

≪功労賞≫

今津隼馬(いまづはやま)(東京海洋大学名誉教授)

受賞者略歴
 1945年生まれ。東京商船大学商船学部航海科卒業。東京大学工学部、大学院工学研究科非常勤講師、東京商船大学商船学部教授を経て、東京海洋大学海洋工学部教授、理事・副学長を歴任。その間、船舶技術研究所、海上保安庁、交通政策審議会、人事院の研究員・専門委員などを務める。「避航法に関する研究」で工学博士(東京大学)。著書に、『双曲線航法』、『電波航法』(共著)、『避航と衝突予防装置』など。また、「衝突針路を使ったOZT(相手船による妨害ゾーン)を用いた衝突警報の検討」(日本航海学会誌Vol.188、2013年)などの論文がある。2013年、工業標準化(ISO)で経済産業大臣表彰を受賞。現在、東京海洋大学名誉教授。

受賞理由
 同氏は長年にわたり東京商船大学他にて教鞭を執られ、以来我が国の航海学界を牽引されてきた。その間、日本航海学会の副会長を歴任し、日本航海学会賞を二度受賞、また、多数の著書や論文を通じ、我が国航海学の第一人者であり続けてきた。また、学会の発展と有為な人材の育成に尽力し、多大な功績を果たした。

≪特別賞≫

谷川夏樹(たにがわなつき)(画家)

受賞者略歴
 1976年生まれ。兵庫県在住。13歳から独学で油絵を描き始める。2000年から、EARTHにARTという言葉が含まれることから、屋号をEARTH CONTAINERとして、コンテナを経済のみならず文化的側面から捉える作家活動をはじめる。油彩による平面作品と平行して、実物のコンテナに「コンテナくん」の顔をペインティング。世界を旅する本物のコンテナを通じてアートと社会の関わりについての可能性を探っている。2005年第24回新風舎出版賞特別賞受賞。著書に、作品集『EARTH CONTAINER#1-コンテナくん見た?』、『AloAloha!コンテナくんハワイの旅』、『コンテナくん』、月刊『かがくのとも』通巻588号『かもつせんのいちにち』などがある。

受賞理由
 『かもつせんのいちにち』、『コンテナくん』(いずれも福音館書店刊)ほか一連の絵本のモチーフとして船を取り上げ、とりわけ内航船の役割や深刻な船員不足を知り、内航海運の存在を広めようという意識で小学生や未就学児童に船や海運に親しんでもらうための絵本を上梓している。そのような活動を通じ、子供たちのみならず、その親の世代に対しても海事文化の理解に一役買っている点が評価できる。

                                                        以上

逸見真編著『船長職の諸相』発行

3月30日、当財団評議員 逸見真氏(東京海洋大学学術研究院海事システム工学部門 教授)編著による『船長職の諸相』を発行し、海事関係団体・企業・図書館・研究者などに配本しました。関心をお持ちの方、お読みになりたい方は、下記までe-mail又はお電話にてお問合せ下さい。

一般財団法人 山縣記念財団
TEL: 03-3552-6310
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp


本書目次

目 次

発刊に際して

執筆及び編集者紹介

第一章 指揮管理
1.はじめに
2.船長の肩の重荷
3.船長が遵守すべき国際条約・規則
4.船内給食の管理
5.おわりに

第二章 風
1.はじめに
2.帆装型式
3.世界の帆船
4.日本丸・海王丸
5.練習帆船の訓練と効果
6.帆走性能
7.帆船の航海
8.帆船の航海の実際
9.おわりに

第三章 シーマンシップ
1.はじめに
2.シーマンシップの意味するところ
3.規則とシーマンシップ
4.認知行動とシーマンシップ
5.ノンテクニカルスキルとシーマンシップ
6.船長とシーマンシップ
7.おわりに

第四章 歴 史
1.はじめに
2.勝 海舟
3.福沢諭吉
4.中浜万次郎

第五章 法
1.はじめに
2.法的責任
3.国際法(海洋法)
4.沿岸国、寄港国の国内法
5.海洋環境の保護
6.ISM コード(国際安全管理コード)
7.水先人との同乗
8.船員労務管理
9.おわりに


「発刊に際して」より

 本書の起こりは、平成28年7月に東京海洋大学海洋工学部で開催された公開講座、「船長という仕事」にある。船長の名称はちまたに十分に流布してはいるものの、その実際の職務、職責については市井、未だ寡聞にして想像の域に留まるのではないかとの危惧が、本講座企画のきっかけとなった。
 講師は外国航路、練習船の船長経験をお持ちの本学の元、及び現役の教授職にある諸氏四名にお願いした。船舶の運航管理、法規制、船員の資質に関する最新の知見が各人各様に、海のプロとしての鋭い視点から論じられた講座には一定の評価が得られ、好評であった。
 そしてこの度、船長という仕事の実像を広く人口に膾炙(かいしゃ)すべく、(一財)山縣記念財団殿のご厚意を頂き一冊の本にまとめて上梓する運びとなった。
 本書をまとめるに際し、各講師には改めて稿を起こして頂いた。先の講座の開催より少しく時を経ていることより、可能ならば講座における既出の内容に、新たな学問的情報や研究の進展による知見を取り入れて頂くようお願いし、結果として本書の各論考は過日の講演内容と比べ優れて発展的な充実を見ている。所収の各論考には講師それぞれの船長職のご経験をベースに、一船の長としての見識はもとより、船長の職責に係る専門のご研究が披露されている。
 以下、本書の内容について簡潔に俯瞰(ふかん)したい。

 第一章「指揮管理」は井上一規船長の執筆による、船長の職業意識の流れ、船長が熟知して遵守すべき国際条約の概要、そして特に乗組員の船内生活にとり必要不可欠な供食管理に関する論考である。井上船長は戦後の日本人船長の意識変化を、一般人の船長に対する意識調査をも加えて渉猟(しょうりょう)、論じられている。過去、数十年に渡る日本人船長の意識は、世界情勢に左右される国際海運の紆余曲折の中で様々に変化してきた一方、船舶や乗組員の安全の確保及び維持という、責任の自覚と使命感はいささかも変化を見ていないと結論付けられている。また供食管理は具体的な食材の購入、調理法、栄養管理のみならず、乗組員のモチベーションやメンタルにまで影響を与える職責であり、船長の率先垂範が重要と指摘されている。ご自身のご経験を踏まえられた船の上での食へのこだわりは、他に例を見出し難い貴重な論考である。
 第二章「風」は國枝佳明船長により、世界に活躍する現代の帆船の概要と共に、帆船の運航とこれにかかわる船長の職務、及び帆走商船の研究の現状と将来について述べられたものである。現在の汽船はその登場からたかだか200年を数える程にしかないのに比べて、数千年あるいはそれ以上に渡る海上輸送は、偏に気まぐれな風に翻弄されてきた悠遠なる営みであった。帆船運航のノウハウを知ることはかつての帆船時代に想いをはせるのみならず、自然に立ち向かい、またこれに順応して航海の安全を追及してきた船長ら、船乗りの先達らの英知を学ぶことにもつながるのである。國枝船長は国土交通省(独)海技教育機構(旧航海訓練所)にて航海士時代より帆船の運航に通暁され、本論考では帆船海王丸の船長のご経験より風を科学的に、及び経験に根差した感性より捉えて運航に供する醍醐味を披露されている。
 また國枝船長は昨年のNHK大河ドラマ、「おんな城主直虎」に度々登場した帆船に係る操船指導もご担当になられている。
 第三章「シーマンシップ」は、竹本孝弘船長によるシーマンシップに関する論考である。シーマンシップとは古くて新しい船乗りの技術の要諦、スピリットであると表現できようか。竹本船長はご自身のご経験や先達の諸言を引きつつ、海で船を動かした者ならば素直にうなずける旧来のシーマンシップの観念を整理される一方、ご専門のヒューマン・ファクター研究に基づき、人の認知行動、身体的な特性、ノンテクニカルスキルの考え方等、最新の知見の他、広く国際条約の規定をも包括され、船長、船員の陥りやすいエラーについて論じられている。本論考は正に、船舶の運航に重要とされた知識、技術、経験の充実がその教育と訓練の必要性へと軸足を移し、更にはこれらを取り巻くノンテクニカルスキルの習得が唱えられる現代的シーマンシップ考であると称しても、過言ではなかろう。
 第四章「歴史」は橋本進船長による、咸臨丸の渡米にまつわるエピソードである。わが国の商船とその運航に関する制度や慣習は、明治の文明開化を経て導入された欧米のシステムである。鎖国政策の下でのわが国の海運は沿岸航海に徹し、欧米では当たり前となっていた大洋航海とその術を知らなかった。橋本船長はいわば日本人にとりフロンティアとしての大洋航海の世界を江戸末期の幕臣、勝海舟らによる咸臨丸の米国就航に焦点を当て、船長(船将)であった勝を中心に、同乗した福沢諭吉、ジョン万次郎、及び米国海軍軍人ジョン・M・ブルック他の人となりを織り交ぜて論ぜられている。いずれも近代日本の開闢(かいびゃく)にとりなくてはならない偉人達ではあったが、船の上であらわとなる彼らの意外な一面が語られた興味深い論考となっている。
 第五章「法」では、逸見が法と船長とのかかわりについて、具体的な課題や問題と共に論じた。

 船長諸氏の論考を通覧して抱くのは、船舶の運航とは様々な科学的、学問的な探究に支えられた、船長、乗組員による人間行動であるとした心象である。船長職の実際を様々な側面より抽出された諸氏のご指摘は、何れもが本船の安全運航にとり欠くことのできない指針且つ教訓であり、改めて船長を中心とした乗組員による、諸研究の成果に支えられた誠意誠実な実務実践の尊さが偲ばれるのである。

 尚、各章の内容と構成に関してはそれぞれの執筆者の裁量に委ねたこと、執筆者の所属する組織、機関の教育方針や考え方を著したものではないことを、ここに付記させて頂く。

 終わりにこのような出版の機会を頂いた山縣記念財団、前理事長小林一夫殿、現理事長郷古達也殿に、この場をお借りして熱く御礼申し上げ、併せて今後の財団のご発展と関係諸氏のご健勝を祈念し、お礼の言葉に代えさせて頂きたい。

(逸見記)


執筆者の略歴

第一章担当 井上 一規(いのうえ かずき)
1985年3月 東京商船大学(現東京海洋大学、以下同じ)商船学部航海学科卒業
日本郵船(株) 船長を経て、
2010年4月 東京海洋大学先端科学技術研究センター 教授
2015年4月 同大学学術研究院海事システム工学部門 教授
一級海技士(航海)
博士(海事科学)

第二章担当 國枝 佳明(くにえだ よしあき)
1982年 3月 神戸商船大学商船学部航海学科卒業
1982年 9月 神戸商船大学乗船実習科修了
1982年10月以降 運輸省航海訓練所(現(独)海技教育機構、以下同じ) 助手・講師・助教授・教授
2005年 7月~07年7月 国際協力機構(JICA)専門家としてフィリピン(マニラ)に派遣
2007年10月以降 同所練習船銀河丸、練習帆船海王丸、各船長を歴任
2014年10月 東京海洋大学先端科学技術研究センター 教授
2017年 4月 同大学学術研究院海事システム工学部門 教授
一級海技士(航海)
博士(海事科学)

第三章担当 竹本 孝弘(たけもと たかひろ)
1984年3月 東京商船大学商船学部航海学科卒業
1984年9月 東京商船大学乗船実習科修了
1984年10月 運輸省航海訓練所 助手
1989年1月 東京商船大学商船学部 助手として出向(1990年12月まで)
1991年1月以降 運輸省航海訓練所 講師・助教授
2001年10月 (独)航海訓練所 教授
2007年7月 同所練習船大成丸 船長
2009年4月 東京海洋大学海洋工学部海事システム工学科 教授
2014年4月 同大学大学院海洋科学技術研究科海洋工学系 教授
2017年4月 同大学学術研究院海事システム工学部門 教授
一級海技士(航海)
博士(海事科学)

第四章担当 橋本 進(はしもと すすむ)
1949年 高等商船学校航海科卒業 運輸省航海訓練所入所
1968年 同所 教授
1972年以降 同所船長 練習汽船大成丸、練習帆船日本丸、練習汽船北斗丸 各船長歴任
1976年 練習帆船日本丸 船長として、米国独立200年祭記念帆船パレードに参加
1987年 東京商船大学 教授
1992年 定年退官
一級海技士(航海)
医学博士

編集及び第五章担当 逸見 真(へんみ しん)
1985年3月 東京商船大学商船学部航海学科卒業
1985年9月 東京商船大学乗船実習科修了
新和海運(株) 船長を経て、
2009年4月~13年3月 (独)海技大学校(現(独)海技教育機構) 講師・助教授・准教授
2012年4月~14年3月 同校付属練習船 船長併任
2014年4月 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科海洋工学系 教授
2017年4月 同大学学術研究院海事システム工学部門 教授
一級海技士(航海)
博士(法学)

以上

2017年度日本海洋少年団連盟「褒状山縣賞」表彰式に出席しました

2018年3月16日(金)、川崎汽船(株)本社(東京・千代田区)にて、(公社)日本海洋少年団連盟主催の2017年度「褒状山縣賞」表彰式が開催され、当財団から郷古理事長が出席しました。

同賞は、同連盟が優秀な団員又は卒団後も引続き海洋少年団員の指導等に当たっている指導者を顕彰するために、同連盟の第3代会長を務めた山縣勝見(当財団創設者、初代理事長)の名を冠し、当財団からの助成を受けて、2010年度から開設したもので、今回は5名の皆さんが受賞されました。

表彰式への出席は内3名で、席上、同連盟の前川弘幸会長(川崎汽船(株)顧問)から挨拶と受賞者への表彰状・バッチの授与があり、続いて当財団郷古理事長からも祝辞を送り、記念品として、図書『たいせつなことは船が教えてくれる』(藤沢優月氏著、2012年11月金の星社刊、後記「注」をご参照下さい)を受賞者の皆さんに贈呈しました。

同連盟は、これにより団員の海運、船舶、海洋環境保全等の知識の更なる向上とモチベーションの昂揚を図り、引続き海洋少年団の指導育成に当たる人材を確保し、これらの活動を通じて、全国の少年少女達への海事思想の普及に大きく寄与するとともに、海洋少年団運動の更なる向上を図ることを目指しています。

 

2017年度日本海洋少年団連盟「褒状山縣賞」表彰式

川崎汽船(株)本社にて 日本海洋少年団連盟 前川弘幸会長(前列右)、当財団 郷古達也理事長(同左)を囲んで受賞者記念撮影(クリックすると大きくなります)


 

注:藤沢優月氏著『たいせつなことは船が教えてくれる』:著者(文筆家)が日本郵船のコンテナ船『NYKオルフェウス』に実際に乗船した体験をもとに、若者に対して、働くことの意義、出会い、絆など人が生きる上で大切なことは何か、についてメッセージを送っている青少年向け図書です。

本件参考URL: 日本海洋少年団連盟フェイスブック2018年3月15日投稿の「海っ子624号」の2面