『海事交通研究』(年報)第65集を発行しました。

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≪序文から≫

 当財団の創始者である山縣勝見は1958年から14年間、日本海洋少年団連盟の会長を務めましたが、その就任挨拶で「日本国民が、祖国日本を守って生きて行くためにはどうしても海に生き、海にその発展の活路を見出すほかはないのであります。(中略)今後この日本海洋少年団をして、諸外国におけるように、海国日本を象徴するにふさわしい立派な国民的団体として発展せしめたい、そしてこの海洋少年団を中心として海洋精神の国民的な盛り上りを期待する運動を展開して行きたい。」と子供たちに広く海のことを知ってほしいという思いを込めた抱負を述べております。

 ほぼ60年も前に山縣勝見が考えていたことが現在ではどの様に受け継がれているのでしょうか。例えば「海の日」の前後には日本船主協会や各海運・造船・港湾会社・商船学校などが子供たちを中心とした青少年や一般の方々を対象に日本各地で外航船や造船所、港湾施設の見学会・体験教室やシンポジウムなどの行事を実施して少しでも海運や船員の重要性を知ってもらう努力を続けています。今では「海の日」だけではなく年間を通して色々なイベントを開催し、その広がりが全国に拡大しています。この様な地道な努力を継続することによって海への理解が更に進むことを切に期待します。

 前述の「海の日」についてですが、その由来を正確に答えられる人がどの位いるでしょうか。海事関連に携わる我々は別にして、子供たちや一般の国民はなかなか的確に答えられないのではないでしょうか。
 ここで一つ提案があります。それは、メディアの力を借りて毎年「海の日」にテレビ・ラジオニュース番組の中で『今日は「海の日」で国民の休日です。1876年明治天皇の東北地方巡幸の際、灯台巡視の汽船「明治丸」によって航海をし、7月20日に横浜港に帰着したことにちなみ1941年に「海の記念日」として制定され、1996年から7月20日が「海の恩恵に感謝し、海洋国家の繁栄を祝う」との趣旨により祝日「海の日」となりました。また、2003年から7月の第3月曜日となり、三連休化されております。なお、明治丸は東京商船学校の練習船として使用され、現在は東京海洋大学 越中島キャンパスに重要文化財として保存されています。』・・・と、この程度の解説をアナウンサーが読み上げる事を是非して欲しいものです。実際に耳と目から入る情報は少なからず皆の記憶に留まるのではないでしょうか。

 さて、今年も『海事交通研究』第65集を皆様にお届けいたします。
 本図宏子氏の「愛媛県海事クラスターにおける集積効果とその発展について」では海事産業が盛んな愛媛県に対象を絞り「海事クラスター」を巡る現状及び政策について、産業連関分析等により考察を行っています。本論文は第64集に日本海事センターの同僚3名共著で寄稿された「海事クラスターの歴史分析」の執筆者の一人による続編です。
 松本守先生の「海運事業者におけるダイバーシティ効果の実証研究」では海運事業者をサンプルに用いて、延べ1,200人を超える取締役の個人データを調査し、コーポレート・ガバナンスの指標の一つと考えられる「取締役会のダイバーシティ」が企業パフォーマンスに与える効果を回帰分析し、海運事業者にとってダイバーシティが有効かどうかを検証しています。
 松尾俊彦先生の「小型内航船の課題と内航業界の構造問題」では近年の内航業界での主課題である船員の高齢化と船舶の高齢化への対応にあたり、7割を占める499G/T以下の小型内航船における船員不足を解消するために、その課題を整理し、何故小型内航船が必要とされるのか、何故運賃や用船料が改善されないのか、更に小型内航船輸送の陸上転換や大型船への転換など効果的な改善策について検討しています。
 水野英雄先生の「日本へのクルーズ客船の寄港とカボタージュ規制」ではより一層の市場の拡大にはクルーズ客船のカボタージュ規制の緩和を行う必要があり、その結果、欧米のようなフライ&クルーズが可能になればインバウンドの増加に貢献し、寄港地への経済波及効果は大きく、地域経済の活性化につながり、また、クルーズ市場が拡大すると指摘しています。
 神田英宣先生の「ギニア湾の海賊対策-国際協力と課題-」では近年海賊が常態化している中西部アフリカのギニア湾の海賊の実態と課題を明らかにし、日本がギニア湾を結ぶ海運を守るためにどのように関与すべきかを念頭に入れながら、沿岸国のみならず国際的な協調の中で、日本が海洋の安定化に注いでいるノウハウを地域のニーズに応じて提供できると示唆しています。
 鈴木暁先生の「食品輸入に関する他法令規制と港湾の検査機能」では近年、増加傾向を辿っているわが国の食品・農産物の輸入の特徴を概観し、食品等の輸入通関業務の際に必要な他法令規制業務についての特徴と意義を考察し、特にわが国の食の安全・安心の観点からTPPとの関連にも言及しています。
 苦瀬博仁先生の「ロジスティクスからみた災害時の緊急支援物資供給とBCPの課題」では、今後想定される大地震に備えるために、災害とロジスティクスについて示したうえで、政府の緊急支援物資供給の課題と企業のBCPの課題を示し、さらに長期的な課題について検討されており、防災対策を考えるうえで貴重な提言となっています。

 この様に海事関連での広範囲にわたる貴重な内容の論文を掲載できましたこと、執筆者の皆様に厚く御礼を申し上げるとともに、来年度も沢山の応募が寄せられることを期待しております。

 最後になりますが、今年は山縣勝見没後40年の年になります。
 そこで当財団のホームページより「山縣勝見の生涯」と、終戦後わずか5年、当時48歳にして日本船主協会会長の職にあった山縣勝見による、日本海運の再建がわが国経済復興の絶対的条件である理由と復興への道筋について記した「日本経済の復興と海運再建の重要性」(1950年3月発行の復刻)を掲載いたしましたので是非お読みいただきたいと思います。

2016年12月
                          一般財団法人 山縣記念財団
                           理事長    小林 一夫

 

 12月21日発行後、海事関連の研究者の皆様や企業、団体並びに公立や大学の図書館に配本しました。関心をお持ちの方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、又はお電話にてお申込み下さい。
 又、本誌をお読みになってのご感想・ご意見なども是非お寄せ下さい。       

一般財団法人 山縣記念財団

お問い合わせフォーム
TEL(03)3552-6310

 
≪目次≫
序文 小林 一夫
(山縣記念財団理事長)
愛媛県海事クラスターにおける集積効果とその発展について 本図 宏子
((公財)日本海事センター研究員)
海運事業者におけるダイバーシティ効果の実証研究 松本 守
(北九州市立大学経済学部准教授)
小型内航船の課題と内航海運業界の構造問題 松尾 俊彦
(大阪商業大学総合経営学部教授)
日本へのクルーズ客船の寄港とカボタージュ規制 水野 英雄
(椙山女学園大学現代マネジメント学部准教授)
ギニア湾の海賊対策
-国際協力と課題-
神田 英宣
(防衛大学校防衛学教育学群准教授)
食品輸入に関する他法令規制と港湾の検査機能 鈴木 暁
(元広島商船高等専門学校教授)
ロジスティクスからみた災害時の緊急支援物資供給とBCPの課題 苦瀬 博仁
(流通経済大学流通情報学部教授)
【特集:山縣記念財団創始者 山縣勝見没後40年記念記事】
山縣勝見の生涯~サンフランシスコ講和会議まで~
当財団ホームページから
日本經濟の復興と海運再建の重要性 山縣 勝見
(日本舩主協會會長=当時)

                              
         
 執筆者紹介

 山縣記念財団からのお知らせ 
 

 

                             
 

≪執筆者紹介≫
(掲載順) 

本図 宏子(ほんず ひろこ)
 大阪大学経済学部卒業。London School of Economics修士課程修了(地域経済学専攻)。国際協力銀行を経て、国土交通省入省。2014年より(公財)日本海事センターに出向。研究分野は、公共経済学、海運経済。論文に「LNG輸送の動向とパナマ運河拡張の影響」(共著)、「海事クラスターの歴史分析」(共著、本誌第64集、2015年)、「一帯一路構想下における中国海運業の動向」がある。また、日本海事新聞に「マレーシアの海運事情と拡大する中国の影響」、「中国ワールド・シッピング・サミットに参加して~経済減速期における中国海運業界の動向~」(2015年)、「中国海運業発展のキーワードは「連携強化」-新生COSCO初主催のワールド・シッピング・サミット参加報告」(2016年)等を寄稿している。日本海運経済学会所属。

松本 守(まつもと まもる)
 九州大学大学院経済学府博士後期課程を単位取得退学の後、九州大学博士(経済学)を取得。九州産業大学商学部専任講師を経て、現在、北九州市立大学経済学部准教授。専攻はコーポレート・ファイナンス、コーポレート・ガバナンス。主要論文は、「海運事業者のコーポレート・ガバナンスと企業パフォーマンス」(共著、2016年日本海運経済学会「学会賞・論文の部」を受賞)、「ソフトな予算制約問題と第三セクターのパフォーマンス-運輸分野を対象とした実証分析-」(共著、2014年日本交通学会「学会賞・論文の部」を受賞)、や“The dark side of independent venture capitalists: Evidence from Japan”(共著)など。所属学会は、日本海運経済学会、日本交通学会、公益事業学会、日本ファイナンス学会、日本経営財務研究学会、日本ディスクロージャー研究学会など。

松尾 俊彦(まつお としひこ)
 東京商船大学大学院商船学研究科博士後期課程修了。広島商船高専助教授、富山商船高専助教授、東海大学海洋学部教授を経て、現在、大阪商業大学総合経営学部教授。博士(工学)。専門分野は物流論(インターモーダル輸送、内航海運)。海運へのモーダルシフトの研究を進める中、港湾のあり方にも関心を持つ。近年の論文として「内航海運における船舶管理の在り方に関する一考察」、「内航海運における船員不足問題の内実と課題」、「内航RORO船・フェリー市場の棲み分けと競争に関する一考察」などがある他、『内航海運』、『交通と物流システム』などの共著作がある。当誌には、「日本の港湾政策に関する一考察」(第59集、2010年)、「内航コンテナ輸送の拡大に関する一考察」(共著、第63集、2014年)と過去に2度寄稿。2007年日本物流学会賞受賞。日本物流学会、日本港湾経済学会、日本海運経済学会、日本交通学会、日本航海学会、日本沿岸域学会、IAME、内航海運研究会所属。

水野 英雄(みずの ひでお)
 名古屋大学大学院経済学研究科博士課程後期課程経済学専攻退学。愛知教育大学教育学部助手、講師、准教授を経て、現在は、椙山女学園大学現代マネジメント学部並びに大学院現代マネジメント研究科准教授。専門は、国際経済学、経済政策、貿易政策、教育政策、経済教育で、海事関連では「アジアにおけるクルーズ客船市場」を研究テーマとし、主要論文に「中部地域の観光産業における名古屋港の役割-クルーズ客船による経済波及効果-」があるほか、農産物貿易、経済教育や教員養成などに関する多数の著書、論文、研究・教育活動がある。2013年第1回経済教育学会賞(教育実践部門)受賞。所属学会は、日本経済学会、日本経済政策学会、日本国際経済学会、経済教育学会、日本グローバル教育学会、経済教育ネットワーク、金融経済教育研究会、応用観光研究会、日本観光学会、日本港湾経済学会中部部会、日本人口学会。

神田 英宣(かんだ ひでのぶ)
 慶応義塾大学理工学部卒業。民間企業を経て海上自衛隊入隊。艦艇勤務(護衛艦、砕氷艦、輸送艦)、海上自衛隊幹部候補生学校教官、防衛庁防衛政策局BMD研究室、統合幕僚会議事務局第5室、海上幕僚監部防衛部、第1術科学校生徒隊長、防衛研究所政策研究部を経て、2013年から防衛大学校防衛学教育学群戦略教育室准教授。専門分野は海洋安全保障。主な論文に、「中西部アフリカの海洋安全保障-沿岸諸国と欧米の戦略目標の実行-」、「インドの海洋安全保障-インド洋ブルーウォーター戦略の課題」、「島嶼をめぐる安全保障-英亜の対立再燃と今後の動向」、「フランスの南太平洋戦略-海洋をめぐる地域安定の役割」がある。所属学会は国際安全保障学会、日本防衛学会、日本島嶼学会。

鈴木 暁(すずき ぎょう)
 法政大学社会学部卒業。神奈川大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。(財)日本関税協会、(財)港湾労働経済研究所、東芝情報システム㈱勤務の後、広島商船高等専門学校で助教授、教授を経て、その後、港湾職業能力開発短期大学校で定年まで教鞭をとり、同退職後は日本大学商学部、中央大学商学部、静岡産業大学で非常勤講師を務めた。『国際物流の理論と実務』(単著)、『現代物流概論』、『現代の内航海運』(以上共著)などの著書及び「フォワーダーの限界と可能性」、「海貨業における3PL導入の可能性と課題」、「港湾管理権をめぐる国と地方自治体」、「輸入穀物の港湾検査とTPP」、「海貨業の現状と課題−総合物流業へ向けて」(当誌第57集、2008年)などの論文がある。所属学会は、日本港湾経済学会、日本海運経済学会、日本物流学会、日本貿易学会。元山縣記念財団評議員。

苦瀬 博仁(くせ ひろひと)
 早稲田大学大学院理工学研究科博士課程(建設工学専攻)修了。工学博士。日本国土開発㈱技術研究所研究員、東京商船大学商船学部助教授、教授、東京海洋大学海洋工学部教授(2009年~2012年まで理事・副学長)を経て、2014年より同大学名誉教授、流通経済大学流通情報学部教授。専門分野は、ロジスティクス、物流、流通システム、交通計画、都市交通計画、物流施設計画、物流の歴史的分析等。主著は『ロジスティクスの歴史物語』(2016年住田物流奨励賞)、『都市の物流マネジメント』(2007年日本物流学会賞)、『ロジスティクス概論』など。政府・自治体の審議会、外国招待講演、国際会議や政府・国際援助機関への技術協力等にも多数参加。所属学会は、日本物流学会(前会長)、日本計画行政学会(副会長)、日本都市計画学会、日本沿岸域学会、土木学会、日本航海学会、日本海運経済学会等。2007年より山縣記念財団評議員。
(敬称略)

「第44回我ら海の子展」を後援しました。

「第44回我ら海の子展」(主催 一般財団法人サークルクラブ協会、公益社団法人日本海洋少年団連盟)の授賞式が2016年8月19日ホテル・ニューオータニ(東京)にて開催され、当財団は後援団体として参加しました。
2015年度までは、未就学児、小学生を対象としていましたが、2016年度からは「全国中学生海の絵画コンクール」と統合し、中学生も対象となり、全国の子供達から10,468点の応募がありました。
その内、国土交通大臣賞2作品(中学生の部、小学生以下の部)はじめ、主催者、後援者、個人審査員による特別賞、金賞、銀賞並びに東日本大震災を機に創設された「がんばろう日本賞」の合計60作品に各賞が贈られました。

(※以下の写真をクリックすると、拡大画像が表示されます。)

集合写真
特別審査員の一人 さかなクンを囲んで
「第44回我ら海の子展」授賞式後の集合写真
2016.8.19 於ホテル・ニューオータニ(東京)


山縣記念財団理事長賞には東京都の中学3年生、牧 美紗穂(まき みさほ)さんの絵画「大好きな場所」が選ばれ、当財団小林理事長より牧さんに賞状が贈られました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA   山縣記念財団理事長賞授与

 


 
今後、受賞作品展示発表会が全国を巡回予定です。
展示会の日程は、以下の通りです。
・ 8月 4日(木)~ 8月30日(火)銀座ギャラリー(東京メトロ銀座駅・日比谷駅間の地下通路)
・ 9月 5日(月)~ 9月16日(金)国土交通省1階ロビー(平日のみ)
・11月 3日(木・祝)~11月30日(水)アクアマリンふくしま

2016年山縣勝見賞贈呈式開催

当財団が海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰するために、2008年に創設した「山縣勝見賞」は本年第9回目を迎え、7月22日(金)「2016年山縣勝見賞」の贈呈式を、海運クラブにて開催致しました。

2016年山縣勝見賞受賞者

「2016年山縣勝見賞」贈呈式における受賞者記念撮影 2016年7月22日 於海運クラブ
左から 森 隆行氏(特別賞)、伊藤玄二郎氏(特別賞)、井上欣三氏(功労賞)、
旭 聡史氏(論文賞)、関根 博氏(著作賞)
(写真をクリックすると大きくなります。)

2016年山縣勝見賞贈呈式全員

同贈呈式における参加者全員による記念撮影 
前列受賞者
(写真をクリックすると大きくなります。)

 受賞者、受賞者略歴、受賞理由は以下の通りです。

≪著作賞≫

(株)日本海洋科学著、関根 博 監修 『実践航海術』
 (成山堂書店 2015年9月刊)

受賞者概要/略歴:
 (株)日本海洋科学は、自社開発の操船シミュレータを中心に、船舶の航行安全対策をはじめとする海事コンサルティング、船舶の安全運航に関する検船業務、BTM/BRM訓練や各種操船訓練、ECDIS(電子海図表示装置)訓練などを初めとする海事教育業務など、国内を代表する海や船に関わる海事総合コンサルタントである。2015年創業30周年を迎えたのを機に、現役の船長・航海士を含む社員約40名が分担し、本書を執筆した。
 監修者関根博氏は、1976年東京商船大学卒業、日本郵船(株)入社後、航海士、船長、シンガポール法人ジェネラルマネージャー、安全環境グループ長、経営委員、常務経営委員等を経て、現在、日本海洋科学社長、東京海洋大学非常勤講師、神戸大学客員教授等。

受賞理由:
 本書は、現在の外航船の現場である船橋において、どのようなシステムおよび基準が存在し、それらが船舶の安全運航の達成に向けてどのように運用されているかを、特に実務面を重視しつつトータルにまとめた日本初のテキストである。航海計画に始まり、ブリッジ・チーム・マネジメント、ECDIS、ウェザールーティングなど、船長、航海士が心得るべきこと、実践すべきことを、「暗黙知」などもふくめてグローバルスタンダードな視点から、理論に偏ることなく実務に即して横断的に整理。まさに現役の外航船船長、航海士のバイブル的著書として高く評価できる。

 

≪論文賞≫

旭 聡史 著 「海上物品運送人の定額賠償制度に関する研究」
 (早稲田大学大学院法学研究科 博士学位論文 2014年7月)

受賞者略歴:
 1999年京都大学法学部卒業。電気機器、医薬品事業会社を経て2007年川崎汽船(株)入社。現在企業法務リスク・コンプライアンス統括グループ公正競争推進チーム長。2011年早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。2014年早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了、今回受賞論文により博士(法学)取得。
 
受賞理由:
 本論文では、海上物品運送人の損害賠償責任範囲について、定額賠償の規定と言われる商法580条や国際海上物品運送法12条の2の規定との関係性、或いは商法580条と民法416条の関係性について考察するために、ローマ法のレケプツム責任にまで淵源を辿り、更にイギリス、ドイツなどの諸外国の法やハーグ・ウィスビー・ルールを始めとする国際条約の対応する規定を比較・検討する作業を通じ、従来の学説の不備な点を補足した画期的な論文として高く評価したい。

 

≪功労賞≫
井上欣三氏

受賞者略歴:
 1968年神戸商船大学航海学科卒業、日本郵船(株)入社。神戸商船大学で商船学修士、京都大学で工学博士を取得。神戸商船大学副学長、神戸大学海事科学部学部長等を歴任し、現在、神戸大学名誉教授。

受賞理由:
 主に、海上交通工学、港湾計画、操船に関する分野において安全評価、安全管理に関する技術開発を中心に多くの業績を残し、日本航海学会優秀論文賞受賞7編、TransNav2007国際会議においてベストペーパー賞、日本船舶海洋工学会関西支部長賞(2009年)、住田正一海事奨励賞(2011年)を受賞。現在は「災害時医療支援船構想」の実現を日本の医療界(医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会)、透析医療界と連携して取り組んでいる。

 

≪特別賞≫
氷川丸ものがたり製作委員会(代表:かまくら春秋社社長 伊藤玄二郎)製作
長編アニメ映画「氷川丸ものがたり」(2015年8月上映)

受賞者概要/略歴:
 氷川丸ものがたり製作委員会は、本アニメ映画の製作のために、『氷川丸ものがたり』原作者、伊藤玄二郎氏が中心となって起ち上げた。
 代表の伊藤氏は、エッセイスト、編集者。中央大学法学部卒業。1970年(株)かまくら春秋社を設立。ポルトガル国立リスボン工科大学客員教授、早稲田大学客員教授、関東学院大学教授等を経て星槎大学教授。
 

受賞理由:
 日本郵船の氷川丸は、米シアトル航路の大型貨客船として1930年竣工し、太平洋戦争中は病院船、戦後は復員船、引揚げ船として、更には再度貨客船として運航し、1960年引退、以後は横浜港山下公園地先に係留され、昭和の歴史の「語り部」として今なおその姿をとどめ、2016年3月には、国の重要文化財に指定されることになった。
 戦後70年、建造後85年に当たる2015年、『氷川丸ものがたり』(伊藤玄二郎著)が発行され、同時に本書をもとに、長編アニメ映画(虫プロダクション制作、監督:大賀俊二)が製作され、全国で公開されたことは、海事振興に大きく寄与し、意義深いものと認められる。

 

≪特別賞≫
森 隆行 著 『神戸港 昭和の記憶 仕事×ひと×街』
 (神戸新聞総合出版センター 2014年11月刊)

受賞者略歴:
 1975年大阪市立大学商学部卒業、大阪商船三井船舶(株)入社。大阪支店輸出二課長、広報課長、営業調査室室長代理、AMT freight GmbH(Deutscheland)社長、(株)商船三井営業調査室主任研究員等を歴任、東京海洋大学海洋工学部講師、青山学院大学経済学部講師を兼務の後、2006年流通科学大学商学部教授に就任。神戸大学海事科学研究科客員教授、タイ王国マエファルーン大学特別講師を兼務。

受賞理由:
 昭和30~40年代活気で満ちあふれていた神戸港を活写した本書は、岸壁から沖の停泊船まで頻繁に行き交う艀やタグボート、気性は荒くても人情あふれる男たち、そして街を闊歩する外国人船員など、かつての神戸港のにぎわいを演出したさまざまな仕事に従事した人々を探し出して直接取材し、完成させた。神戸を愛する全ての人々に大きな励ましを送っている書といえる。
                                                        以上

2016年山縣勝見賞受賞者決定

 当財団は、2008年に設立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海運を中心とする海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果(著作・論文)や業績を対象として表彰する制度を発足しましたが、このほど「2016年山縣勝見賞」の受賞者が下記の通り決定しましたので、お知らせ致します。
 なお受賞者への贈呈式は7月22日(金)海運クラブにて行います。

≪著作賞≫

(株)日本海洋科学著、関根博監修 『実践航海術』
 (成山堂書店 2015年9月刊)

受賞者概要/略歴:
 (株)日本海洋科学は、自社開発の操船シミュレータを中心に、船舶の航行安全対策をはじめとする海事コンサルティング、船舶の安全運航に関する検船業務、BTM/BRM訓練や各種操船訓練、ECDIS(電子海図表示装置)訓練などを初めとする海事教育業務など、国内を代表する海や船に関わる海事総合コンサルタントである。2015年創業30周年を迎えたのを機に、現役の船長・航海士を含む社員約40名が分担し、本書を執筆した。
 監修者関根博氏は、1976年東京商船大学卒業、日本郵船(株)入社後、航海士、船長、シンガポール法人ジェネラルマネージャー、安全環境グループ長、経営委員、常務経営委員等を経て、現在、日本海洋科学社長、東京海洋大学非常勤講師、神戸大学客員教授等。

受賞理由:
 本書は、現在の外航船の現場である船橋において、どのようなシステムおよび基準が存在し、それらが船舶の安全運航の達成に向けてどのように運用されているかを、特に実務面を重視しつつトータルにまとめた日本初のテキストである。航海計画に始まり、ブリッジ・チーム・マネジメント、ECDIS、ウェザールーティングなど、船長、航海士が心得るべきこと、実践すべきことを、「暗黙知」などもふくめてグローバルスタンダードな視点から、理論に偏ることなく実務に即して横断的に整理。まさに現役の外航船船長、航海士のバイブル的著書として高く評価できる。

 

≪論文賞≫

旭聡史著 「海上物品運送人の定額賠償制度に関する研究」
 (早稲田大学大学院法学研究科 博士学位論文 2014年7月)

受賞者略歴:
 1999年京都大学法学部卒業。電気機器、医薬品事業会社を経て2007年川崎汽船(株)入社。現在企業法務リスク・コンプライアンス統括グループ公正競争推進チーム長。2011年早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。2014年早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了、今回受賞論文により博士(法学)取得。
 
受賞理由:
 本論文では、海上物品運送人の損害賠償責任範囲について、定額賠償の規定と言われる商法580条や国際海上物品運送法12条の2の規定との関係性、或いは商法580条と民法416条の関係性について考察するために、ローマ法のレケプツム責任にまで淵源を辿り、更にイギリス、ドイツなどの諸外国の法やハーグ・ウィスビー・ルールを始めとする国際条約の対応する規定を比較・検討する作業を通じ、従来の学説の不備な点を補足した画期的な論文として高く評価したい。

 

≪功労賞≫
井上欣三氏

受賞者略歴:
 1968年神戸商船大学航海学科卒業、日本郵船(株)入社。神戸商船大学で商船学修士、京都大学で工学博士を取得。神戸商船大学副学長、神戸大学海事科学部学部長等を歴任し、現在、神戸大学名誉教授。

受賞理由:
 主に、海上交通工学、港湾計画、操船に関する分野において安全評価、安全管理に関する技術開発を中心に多くの業績を残し、日本航海学会優秀論文賞受賞7編、TransNav2007国際会議においてベストペーパー賞、日本船舶海洋工学会関西支部長賞(2009年)、住田正一海事奨励賞(2011年)を受賞。現在は「災害時医療支援船構想」の実現を日本の医療界(医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会)、透析医療界と連携して取り組んでいる。

 

≪特別賞≫
氷川丸ものがたり製作委員会(代表:かまくら春秋社社長 伊藤玄二郎)製作
長編アニメ映画「氷川丸ものがたり」(2015年8月上映)

受賞者概要/略歴:
 氷川丸ものがたり製作委員会は、本アニメ映画の製作のために、『氷川丸ものがたり』原作者、伊藤玄二郎氏が中心となって起ち上げた。
 代表の伊藤氏は、エッセイスト、編集者。中央大学法学部卒業。1970年(株)かまくら春秋社を設立。ポルトガル国立リスボン工科大学客員教授、早稲田大学客員教授、関東学院大学教授等を経て星槎大学教授。
 

受賞理由:
 日本郵船の氷川丸は、米シアトル航路の大型貨客船として1930年竣工し、太平洋戦争中は病院船、戦後は復員船、引揚げ船として、更には再度貨客船として運航し、1960年引退、以後は横浜港山下公園地先に係留され、昭和の歴史の「語り部」として今なおその姿をとどめ、2016年3月には、国の重要文化財に指定されることになった。
 戦後70年、建造後85年に当たる2015年、『氷川丸ものがたり』(伊藤玄二郎著)が発行され、同時に本書をもとに、長編アニメ映画(虫プロダクション制作、監督:大賀俊二)が製作され、全国で公開されたことは、海事振興に大きく寄与し、意義深いものと認められる。

 

≪特別賞≫
森隆行著 『神戸港 昭和の記憶 仕事×ひと×街』
 (神戸新聞総合出版センター 2014年11月刊)

受賞者略歴:
 1975年大阪市立大学商学部卒業、大阪商船三井船舶(株)入社。大阪支店輸出二課長、広報課長、営業調査室室長代理、AMT freight GmbH(Deutscheland)社長、(株)商船三井営業調査室主任研究員等を歴任、東京海洋大学海洋工学部講師、青山学院大学経済学部講師を兼務の後、2006年流通科学大学商学部教授に就任。神戸大学海事科学研究科客員教授、タイ王国マエファルーン大学特別講師を兼務。

受賞理由:
 昭和30~40年代活気で満ちあふれていた神戸港を活写した本書は、岸壁から沖の停泊船まで頻繁に行き交う艀やタグボート、気性は荒くても人情あふれる男たち、そして街を闊歩する外国人船員など、かつての神戸港のにぎわいを演出したさまざまな仕事に従事した人々を探し出して直接取材し、完成させた。神戸を愛する全ての人々に大きな励ましを送っている書といえる。
                                                        以上

2015年度日本海洋少年団連盟「褒状山縣賞」表彰式に出席しました

2016年3月11日(金)、日本郵船(株)本社(東京・千代田区)にて、(公社)日本海洋少年団連盟主催の2015年度「褒状山縣賞」表彰式が開催され、当財団から小林理事長が出席しました。

同賞は、同連盟が優秀な団員又は卒団後も引続き海洋少年団員の指導等に当たっている指導者を顕彰するために、同連盟の第3代会長を務めた山縣勝見(当財団創設者、初代理事長)の名を冠し、当財団からの助成を受けて、2010年度から開設したもので、今回は14名の皆さんが受賞されました。

表彰式への出席は内6名で、席上、同連盟の草刈隆郎会長(日本郵船特別顧問)から挨拶と受賞者への表彰状・バッチの授与があり、続いて当財団小林理事長からも祝辞を送りました。その後、一同は当財団(東京・中央区)を表敬訪問され、当財団からは記念品として、図書『たいせつなことは船が教えてくれる』(藤沢優月氏著、2012年11月金の星社刊、後記「注」をご参照下さい。)を受賞者の皆さんに贈呈しました。

同連盟は、これにより団員の海運、船舶、海洋環境保全等の知識の更なる向上とモチベーションの昂揚を図り、引続き海洋少年団の指導育成に当たる人材を確保し、これらの活動を通じて、全国の少年少女達への海事思想の普及に大きく寄与するとともに、海洋少年団運動の更なる向上を図ることを目指しています。

 

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日本郵船にて 日本海洋少年団連盟 草刈隆郎会長(前列左から2人目)、
当財団 小林一夫理事長(同3人目)を囲んで受賞者記念撮影
(クリックすると大きくなります。)


2015hojo-yamagatasho2
山縣記念財団にて受賞者記念撮影(クリックすると大きくなります。)


 

注:藤沢優月著『たいせつなことは船が教えてくれる』は、著者(文筆家)が日本郵船のコンテナ船『NYKオルフェウス』に実際に乗船した体験をもとに、若者に対して、働くことの意義、出会い、絆など人が生きる上で大切なことは何か、についてメッセージを送っている青少年向け図書です。

本件参考URL: 日本海洋少年団連盟ホームページより「褒状山縣賞表彰式を挙行」

海事交通研究第65集寄稿論文、2016年山縣勝見賞、補助金助成申込の募集のお知らせ

当財団は、新年1月5日(火)より、以下三事業の募集を致しますので、夫々の募集要領(又は、早見表)をご覧の上、末尾の連絡先宛、是非ご応募・お問合せをお願いします。

1.海事交通研究第65集寄稿論文募集
 当財団は、『海事交通研究』(年報)を1965年(昭和40年)11月に創刊し、海運とその周辺分野
 に関する最新の研究成果を発表して参りました。

2.2016年山縣勝見賞の募集
 当財団は、2008年に創立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海事交通文化の調査・研究   及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を表彰しております。

3.2016年度補助金助成申込の募集
 当財団は、海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業
 への補助金助成活動を行って参りました。

 

※※※※ 1.海事交通研究第65集(年報)寄稿論文の募集要領 ※※※※

 

1. 募集対象論文 :海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする論文。
  テーマは、(1)執筆者の希望する「自由テーマ」或いは、(2)下記「指定テーマ」でも結構です。
  (1)自由テーマ
  (2)今号での指定テーマ:日本にとって「海運」とは何か

2. 募集開始日 :
  2016年 1月 5日(火)

3. 応募締切日 :
  2016年 3月31日(木)(当日の消印有効)

4. 応募・審査手順  :
  (1) 論文執筆の申請をされる方は、年報掲載論文執筆申請書(以下申請書という)を上記(2,3)
    の期間内に、メール・郵便又はFAXによりお送り下さい。論文執筆の申請をされる方の資格
    は特に問いません。
  (2) 当財団の年報掲載作品編集委員会が提出された申請書を審査し、年報掲載論文の執筆の
    可否を4月末までにご連絡致します。
  (3) 論文提出期限は2016年8月31日(水)とします。
  (4) 論文の年報への掲載については、編集委員会の審議を経て最終決定致します。

5. 原稿執筆要領 :
  A4版縦置き・横書き(40字×40行)で10枚(厳守)を限度とします。(目次・図表・注等を含
  みます。)

6. 応募原稿 :
  (1) 未発表のもので、原則日本語としますが、相談に応じます。共著も可。
  (2) 以下につき、ご了承の上、投稿をお願いします。
    ①二重投稿並びに既発表論文、又はそれに類似した論文の投稿は不可。
    ②著書や新聞等の文献から引用した場合及び発想を転用した場合は、出典(著者名・
     タイトル・発行所名・発行年月等)を明記する。ただし、ホームページ上の資料を利用
     した場合は、URLとアクセスした日付を明記する。

7. 原稿提出方法 :
  メールに原稿を添付して送信するか、CD等記録媒体をお送り下さい。

8. 原稿料 :年報に掲載した論文については、当財団所定の料率にて原稿料をお支払いします。                             
以上

 

過去の年報掲載論文についてはこちらから

 

※※※※ 2.2016年山縣勝見賞の募集要領 ※※※※

 

1.募集対象分野 :海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする著作
 (共著も可)、論文並びに業績

2. 募集開始日 :
  2016年 1月 5日(火)

3. 応募締切日 :
  2016年 3月31日(木)(当日の消印有効)

4. 賞の種類及び対象 :
  ① 著作賞(30万円) 海事関係の単著又は共著で、2013年1月1日から2015年12月31日までの
            間に発表されたもの。
  ② 論文賞(20万円) 海事関係論文で、上記と同期間に発表されたもの。
  ③ 功労賞(20万円) 海事交通文化の発展に顕著な業績のあった個人で、特にその業績の対象
            期間は問わない。
  ④ 特別賞 上記三賞に匹敵する功績が認められる個人又は法人並びにその事業(賞金額は、
       都度理事会にて決定)

  尚、既に他の学会又は団体などから受賞している場合でも受賞の資格を有するものとします。

 
5. 応募手続 :
  個人・団体の推薦又は自薦によるものとします。応募者は、山縣勝見賞推薦/申請書に当該書
  籍/論文を1部添付の上、送付して下さい。 (書籍は後日返却します。)
  尚、推薦/申請書のExcelフォームが必要な方、その他詳細についてはお問い合せ下さい。

6. 受賞者の発表 : 受賞者の氏名等は、2016年6月上旬までに当財団のホームページ、その他
           海事関連のメディアを通じて発表します。
           尚、受賞者への贈呈式は2016年7月18日の「海の日」の前後に行います。

以上

 

※※※※ 3.2016年度補助金助成申込の募集要領 ※※※※※

 

1. 募集対象分野:海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野の調査研究、その他海事
         の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への補助金助成

2. 募集開始日:
  2016年 1月 5日(火)

3. 応募締切日:
  2016年 2月29日(月)(当日の消印有効)

4. 申請条件:
  (1) 2016年4月から2017年3月までに実施する事業であること
  (2) 収益を目的とする事業は対象とせず、海事交通文化の振興又は調査研究に関連する事業で
    あること
  (3) 既に実施している事業で、その実績が一定の評価を得ているもの、又はこれから実施しよ
    うとする事業の場合は、当該事業を実施するための実態的な人材・知見が整い、事業目的
    が明確に示されていること
  (4) 本補助金を利用して活動した後、本補助金の使途に関する事後報告を速やかに行うこと

5. 応募手続:
  応募者は、補助金助成申請書(又はこれに代え、募金趣意書など)を送付して下さい。
  尚、申請書のWordフォームが必要な方、その他詳細についてはお問い合せ下さい。

     
6. 審査結果の発表:
  助成審査委員会(2016年3月上旬開催予定)により審査し、理事会(2016年3月下旬開催予定)
  に答申。結果は、4月上旬までに申請者宛連絡します。

                            
以上

 

【以上三事業の申請書等の送付先・問合せ先】
一般財団法人 山縣記念財団 
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-3 正和ビル5F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp

『海事交通研究』(年報)第64集を発行しました。

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≪序文から≫

 今年もノーベル医学生理学賞を大村智・北里大学特別栄誉教授、ノーベル物理学賞を梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長が受賞しました。私たち日本人にとって誇りでありこれほど嬉しいニュースはありません。ところで、当財団にも設立者の名前を冠して創設した「山縣勝見賞」があります。海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野での研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を表彰しています。ホームページや海事メディアを通じて広く募集し、毎年7月の「海の日」前後に贈呈式を行います。創設してから今年で8年目になりますが、受賞者の皆さんが受賞を大変喜んでくださる姿に接すると、当財団の活動が海事交通文化の発展に多少なりともお役に立っていると実感します。
 嬉しい話がもう一つあります。当財団元理事の山岸寬先生(東京海洋大学名誉教授)が書かれた『海運70年史』(当財団70周年を記念して発行)が今年の日本海運経済学会賞(著書の部)、更に住田正一海事奨励賞を受賞しました。山岸先生は1971年に当財団の研究員からスタートされ、本年6月に退任されるまで評議員・理事として40年以上も当財団の事業運営に貴重なご意見を頂きました。先生の受賞を心よりお祝いしたいと思います。
※『海運70年史』をお手にされたい方は財団まで連絡いただければ進呈いたします。
 
さて、今年も『海事交通研究』第64集を皆様にお届けいたします。
 今年の指定テーマの一つは【災害時の船舶利用】です。執筆をお願いした井上欣三先生は阪神淡路大震災時の体験をもとに船の機能的特徴-輸送機能・宿泊機能・生活機能-を活用し、民間船が無理なく可能な範囲で医療とタイアップして被災者の命を守る支援を目指そうとする『災害時医療支援船構想』を着想され、構想実現の最終ゴールのテープを切るためには、構想を進める組織体、国・地域の行政関係者、船舶所有者、海事関係者、医療関係者等により官民相互の連携協力が不可欠であると指摘されています。
 もう一つの指定テーマ【海事産業における女性の活躍と推進】では北田桃子先生にお願いし各国の女性船員の状況、とりわけアジア諸国の状況など詳細に報告いただいたうえで、日本の女性船員を増やすための具体的な提言も頂きました。更に、逸見真先生の「わが国外航海運における女性船員の雇用-何故、女性船員の雇用は伸びないのか-」は海上における女性の勤務の厳しさ、中小船社での採用の難しさなど直面する問題が解りやすく整理されており、さらに女性船員が活躍するためにはどの様にすべきかを提言されています。船員を目指している女性や、海運企業の採用担当部に是非読んで頂き、女性船員が増加する契機になって欲しいと思います。
 上野絵里子氏・本図宏子氏・松田琢磨氏の「海事クラスターの歴史分析」では最新情報をもとに海事クラスターの産業規模を過去と比較・分析されており、海事クラスターとは何かを知るうえで有意義な論文であります。尚、海事クラスターについては年報第50集(2001年)杉山武彦先生による「海事クラスターの概念とその周辺 ~概念と産業政策上の意義についてのノート~」以来の掲載となります。
手塚広一郎先生・石井昌宏先生の「不確実性下の海運市場の価格形成に関する研究動向とその課題」は不定期船市場におけるスポット市場とFFAなど先渡し市場の需要と供給の均衡においてリスクプレミアムを高度な数式を用いて分析を試みています。また、今後モデルの一般化により、他の分野にもこれが利用可能であると展開しています。
大河内美香先生の「感染症の制御における海港検疫と海運の位置-海上交通の安定を視座として-」は海上交通の発展とともに誕生・発展した感染症の伝播防止のための制度である検疫の現代的意義を考察し、海洋の秩序を守る方向性を示すことが出来るのは海運業に他ならないと論じています。
 鶴田順先生の「排他的経済水域における「海洋の科学的調査」−沿岸国による「海洋の科学的調査」規制法の執行可能性に焦点をあてて−」は我が国周辺でも注視されている海洋紛争の中から「海洋の科学的調査」について、事案、条約、国際法理論と分かり易く纏められています。現在の南シナ海情勢を含めた海洋に関する国際状況の理解に大いに役立つ論文だと思います。
 恩田登志夫先生の「港湾労働政策の変遷とその課題に関する一考察-港湾労働法制定後50年を迎えて−」は港労法の成立から現在に至るまでの経緯が明確に記述されており、港湾労働の形態変化をまとめた興味深い論文であります。また、港湾労働が量的要因から質的要因へ転換する中で、これから更に質の競争力を高め続けることの重要性を説いています。
 王学士氏の「英国海上保険詐欺請求をめぐる最近の動向に関する一考察−「詐欺的手段」の利用を中心として−」は標準的な船舶保険約款の何れも「詐欺的手段」の利用に関する規定が置かれておらず、コモン・ロー上の規律に委ねられてきた中で、英国での新たな詐欺的請求を抑止するための法的アプローチについて実際の裁判例をとりあげて紹介した上で評釈しています。
 若土正史氏の「保険記録簿から見たポルトガルのインド航路の海上保険について」は今まで無いとされていた中世ポルトガルの海上保険契約の取引記録がスペインのブルゴス古文書館に所蔵されていることを発見し、自らブルゴス古文書館まで出向き資料を整理・分析した著者の探究心には驚かされます。

 この様に海事の広範囲にわたる貴重な内容の論文を掲載できましたこと、厚く御礼を申し上げるとともに、来年度も沢山の応募を頂きますようお願い申し上げます。

2015年12月
                          一般財団法人 山縣記念財団
                           理事長    小林 一夫

 

 12月11日発行後、海事関連の研究者の皆様や企業、団体並びに公立や大学の図書館に配本しました。関心をお持ちの方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、又はお電話にてお申込み下さい。
 又、本誌をお読みになってのご感想・ご意見なども是非お寄せ下さい。       

一般財団法人 山縣記念財団

お問い合わせフォーム
TEL(03)3552-6310

 
≪目次≫
序文
 
小林 一夫
(山縣記念財団理事長)
【指定テーマ】
災害時における船舶活用 
井上 欣三
(神戸大学名誉教授)
【指定テーマ】
海事産業における女性の活躍推進
北田 桃子
(世界海事大学助教授)
【指定テーマ】 
わが国外航海運における女性船員の雇用
−何故、女性船員の雇用は伸びないのか−
逸見 真
(東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授)
海事クラスターの歴史分析 上野 絵里子
((公財)日本海事センター 
専門調査員)
本図 宏子
((公財)日本海事センター 
研究員)
松田 琢磨
((公財)日本海事センター 
研究員)
不確実性下の海運市場の価格形成に関する研究動向とその課題 手塚 広一郎
(日本大学経済学部教授)
石井 昌宏
(上智大学経済学部教授)
感染症の制御における海港検疫と海運の位置
−海上交通の安定を視座として−
大河内 美香
(東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科准教授)
排他的経済水域における「海洋の科学的調査」
−沿岸国による「海洋の科学的調査」規制法の執行可能性に焦点をあてて−
鶴田 順
(海上保安大学校准教授)
港湾労働政策の変遷とその課題に関する一考察
-港湾労働法制定後50年を迎えて-
恩田 登志夫
(港湾職業能力開発短期大学校横浜校能開准教授)
【判例評釈】
英国海上保険詐欺請求をめぐる最近の動向に関する一考察
−「詐欺的手段」の利用を中心として−
王 学士
(東京大学大学院法学政治学研究科博士後期課程)
【研究報告】
保険記録簿から見たポルトガルのインド航路の海上保険について
若土 正史
(神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程)

                              
         
 執筆者紹介

 山縣記念財団からのお知らせ 
 

 

                             
 
≪執筆者紹介≫
(掲載順) 

井上 欣三(いのうえ きんぞう)
 1968年神戸商船大学航海学科卒業後、日本郵船(株)入社。神戸商船大学で商船学修士、京都大学で工学博士を取得。神戸商船大学副学長、神戸大学大学院海事科学専攻長、神戸大学海事科学部学部長等を歴任し、現在、神戸大学大学院海事科学研究科名誉教授。主に、海上交通工学、港湾計画、操船に関する分野において安全評価、安全管理に関する技術開発を中心に多くの業績を残している。日本航海学会優秀論文賞受賞7回、TransNav2007国際会議においてベストペーパー賞、住田正一海事奨励賞(2011年)を受賞。現在は「災害時医療支援船プロジェクト」を日本の医療界(医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会)、透析医療界と連携して取り組んでいる。国際的にはIAM U(国際海事大学連合)の設立に貢献し、活動のコンセプトを提案した。本誌第54集、第56集への寄稿他数多くの論文、著作がある。日本航海学会(会長を歴任)、日本船舶海洋工学会、土木学会、英国王立航海学会等に所属。

北田 桃子(きただ ももこ)
 神戸大学海事科学部(航海学)卒業。三級海技士。2010年英国カーディフ大学で博士号(社会科学)取得。2011年より世界海事大学(スウェーデン・マルメ)、現在助教授。専門分野は、女性船員を含むジェンダー論、船員文化、ヒューマンエレメント、海事教育訓練、Eラーニング、海事エネルギー管理、船員の労働・福祉問題、環境問題など。“Maritime Women: Global Leadership”の編著者であり、IMOの女性支援政策に専門家として協力。世界海事大学女性協会の事務局も務める。『海運』(日本海運集会所)への寄稿「EU海運政策」、「日本はEUから何を学べるか」の他、最近の論文には‘Managing People and Technology: The Challenges in CSR and Energy EfficientShipping’(2015年)がある。又、朝日地球環境フォーラムの分科会「漁業国日本の凋落とサカナの危機、海をどう守る?」(2015年)に登壇し、ノルウェーの漁業の成功例を紹介。

逸見 真(へんみ しん)
 1985年東京商船大学商船学部航海学科卒業後、筑波大学大学院において、ビジネス科学研究科企業科学専攻課程企業法コース(後期博士課程)を修了。博士(法学)。一級海技士(航海)。新和海運(株)船長を経て(独)海技教育機構海技大学校講師、准教授、同行練習船船長を歴任し、2014年より東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科海洋工学系教授。研究分野は、国際法における海洋法を中心とした法的問題(国家責任、国家管轄権、海上違法行為、国際船員の人権保護、海洋環境の保護等)、船員、船舶に関する海法、諸法研究。2009年山縣勝見賞(論文賞)を受賞した博士論文『便宜置籍船論』(信山社発行)をはじめ多くの論文があり、本誌へは、第58集、第59集、第62集に次いで4度目の寄稿。日本航海学会、国際法学会、日本海法学会、総合人間学会、日本コンラッド協会、日本海事史学会所属。2015年より山縣記念財団評議員。

上野 絵里子(うえの えりこ)
 学習院大学法学部卒業。同大学政治学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。メーカー勤務を経て、2013年より(公財)日本海事センター専門調査員。研究分野は、国際政治経済学、海運経済。「2013年全国輸出入コンテナ貨物流通調査と近年の傾向」、「欧州航路の市況を取り巻く現状と背景」等の寄稿がある。

本図 宏子(ほんず ひろこ)
 大阪大学経済学部卒業。London School of Economics修士課程修了(地域経済学専攻)。国際協力銀行、国土交通省を経て、2014年より(公財)日本海事センター研究員。研究分野は、公共経済学、海運経済。日本海事新聞に「シンガポールの海事産業強化施策について」、「中国ワールド・シッピング・サミットに参加して~経済減速期における中国海運業界の動向~」を寄稿したほか、論文に、「LNG輸送の動向とパナマ運河拡張の影響」(共著)がある。所属学会は日本海運経済学会。

松田 琢磨(まつだ たくま)
 筑波大学第三学群社会工学類卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。修士(経済学)。(財)日本海事センター非常勤研究員を経て2011年より(公財)日本海事センター研究員。研究分野は海運経済。「バルク貨物コンテナ化の決定要因について-北米/韓国・台湾航路における金属スクラップ輸入の分析-」(共著)で2014年度日本海運経済学会賞(論文の部)、「コンテナ荷動き量に対する経済指標の影響の持続性」(共著)で2014年度日本物流学会賞(論文等の部)を夫々受賞。ほかに「定期船市場の回顧と展望」、“Containerization of bulk trade: A case study of US–Asia wood pulptransport”(共著)等の論文/寄稿がある。所属学会は、日本海運経済学会、国際海運経済学会(IAM E)、日本経済学会、日本金融学会。

手塚 広一郎(てづか こういちろう)
 2000年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程を単位取得退学ののち、2005年に一橋大学博士(商学)を取得。福井大学教育地域科学部准教授を経て、現在、日本大学経済学部教授。専攻は、交通経済論・産業組織論であり、主として経済学の枠組みを用いて海運市場などの分析を行っている。所属学会は、日本海運経済学会、日本交通学会、公益事業学会、IAM E(International Association of Maritime Economists)どである。主要業績としては、『交通インフラ・ファイナンス』(共編著)、および‘An equilibrium price model of spot and forward shipping freight markets’(共著、2013年日本海運経済学会「学会賞・論文の部」を受賞)など。本誌においては,2006年の第55集にて「航海用船、定期用船および金融先物取引における価格形成」(単著)を執筆している。

石井 昌宏(いしい まさひろ)
 2000年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了、一橋大学博士(商学)を取得。2015年より上智大学経済学部(経営学科)教授。専攻は、ファイナンスであり、非完備市場における資産価格形成を主たる研究分野としている。日本海運経済学会、日本金融・証券計量・工学学会(JAF EE)、公益事業学会等に所属し、「非協力ゲームの枠組みを用いた電力取引市場における市場支配力の分析」(共著、2009年公益事業学会「論文奨励賞」)、’Relationship between CAPM-β and market changes in the Japaneseliner shipping industry'(共著、2012年日本海運経済学会「学会賞・論文の部」)、‘An equilibrium price model of spot and forward shipping freight markets’(共著)などの論文がある。

大河内 美香(おおこうち みか)
 1999年パリ大学法学部第3課程卒業。2000年東京都立大学大学院博士後期課程単位取得退学。修士(法学、立教大学。高等研究学位(国際法、パリ大学)。現在東京海洋大学海洋科学技術研究科准教授。論文に「国際関心事項及び国内管轄事項としての検疫の位置―国際機関と国家の権限の整序―」(江藤淳一編『国際法学の諸相―到達点と展望―』、信山社、2015年)がある。研究テーマは、海洋法、国家管轄権の競合、大陸棚の境界画定等。日本航海学会、国際法学会、世界法学会に所属。

鶴田 順(つるた じゅん)
 2005年に東京大学大学院法学政治学研究科博士課程を単位取得退学し、海上保安大学校講師を経て、2009年より同大学校准教授。2015年より政策研究大学院大学連携准教授。その他、早稲田大学海法研究所招聘研究員、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科非常勤講師。専門分野は国際法と環境法。最近の海洋法関係の編著作に『海賊対処法の研究』、 論文に「アジアの海における「法の支配」」、「ソマリア海賊事件」、「海上での薬物規制国内法の適用と執行」、「日本における国連海洋法条約の実施」(本誌第62集)、“The Guanabara Case”などがある。2007年に(公財)クリタ水・環境科学振興財団クリタ水環境科学研究優秀賞受賞。所属学会は国際法学会、世界法学会、国際法協会、環境法・政策学会。

恩田 登志夫(おんだ としお)
 1981年東洋大学経営学部卒業後、2001年法政大学経営学研究科修士課程修了、現在、法政大学公共政策研究科博士後期課程に在学中。大学卒業後、大韓航空東京貨物支店、日本貨物航空(株)を経て、2002年独立行政法人雇用能力開発機構(現、高齢・障害・求職者雇用支援機構)に入構し、機構内の一施設である港湾職業能力開発短期大学校横浜校に従事。著書に『国際物流の理論と実務』(共著)等。主な論文は、「港湾企業間における請負関係から下請関係への変遷」、「香港・深圳における一体化政策によるスーパー港湾の役割と課題」、「わが国の強みを活かすコンテナ・ターミナル整備の充実-自働化ターミナルへの革新を中心として-」(本誌第62集)。専門分野は、港湾政策、港湾労働、国際物流、ロジスティクス。所属学会は、日本港湾経済学会、日本交通学会、日本海運経済学会、国際ビジネス研究学会。

王 学士(おう がくし)
 2008年中国東北財経大学工商管理学部経営管理学科卒業。中国律師(弁護士)資格取得。華東政法大学法学部大学院商法専攻博士前期修了後、来日して2015年東京大学大学院法学政治学研究科商法専攻博士前期を修了し、現在同研究科博士後期課程在学中。専門分野は、商法(特に保険法)。論文に「簡易生命保険契約と保険契約者確定-申込書の住所記載等に基づき保険料出捐者が契約者とされた事例-」、「中国における知的財産保険制度の模索とその発展-専利保険のパイロット事業を中心に-」、「共済契約と反社会的勢力の排除-契約者が暴力団関係者であることを理由とする共済者の錯誤の成否-」がある。国際保険振興会2014年度(第1回)外国人留学生向け懸賞論文(生命保険に関する内容)最優秀賞受賞。所属学会は日本保険学会、比較法学会。

若土 正史(わかつち まさふみ)
 1973年 関西学院大学商学部卒業後、東京海上火災保険(株)入社。火災新種業務部・営業推進部・代理店部など本社勤務のほか、広島・横浜・大阪・長崎などの地方支店営業などにも従事。この間、関西学院大学大学院商学研究科MBA取得。東京海上日動あんしん生命(株)LP営業部長を経て、神戸大学大学院経済学研究科博士課程前期課程を修了し、現在同大学院後期課程に在学中。専門は中近世日本経済史。ポルトガルを中心に海上保険史を調査研究のため2013年3月から1年間ポルトガル・コインブラ大学にvisiting scholarとして留学し、その成果を本誌第62集に「ポルトガルにおける大航海時代の海上保険と日本」として発表。2014年再渡航し、ポルトガル及びスペインの古文書館に眠る保険史料を解読。社会経済史学会、日本保険学会に所属。

(敬称略)

山岸寬(当財団元理事)著『海運70年史』が、住田正一海事奨励賞を受賞しました。

(一社)日本海運集会所は、住田正一海事奨励各賞の受賞者を決定し、11月17日同所にて授賞式を行いました。

住田正一海事奨励賞には、山岸寬東京海洋大学名誉教授(当財団元理事)の著書『海運70年史』(2014年7月、当財団発行)が選ばれました。
詳細は、(一社)日本海運集会所ホームページから住田正一海事奨励賞各賞 受賞者決定のお知らせをご覧下さい。

尚、本書は既に、第24回(2015年)日本海運経済学会賞(著書の部)(→こちら)を受賞しており、嬉しいダブル受賞となりました。

本書の内容及び著者山岸寬氏の略歴については、こちらをご覧下さい。

本書に関するお問合せ、入手申込みの方は、下記までe-mail又はお電話にてご連絡下さい。

 一般財団法人 山縣記念財団
 TEL: 03-3552-6310
 E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp

山岸寬(当財団元理事)著『海運70年史』が、日本海運経済学会賞を受賞しました。

日本海運経済学会は、10月17日(土)、日本大学経済学部(東京都千代田区)で開いた総会で、
山岸寬東京海洋大学名誉教授(当財団元理事)の著書『海運70年史』(2014年7月、当財団発行)に第24回(2015年)日本海運経済学会賞(著書の部)を授与することを発表し、贈呈式が行われました。

受賞理由は、こちらをご覧下さい。

又、本書の内容及び著者山岸寬氏の略歴については、こちらをご覧下さい。

尚、本書に関するお問合せ、入手申込みの方は、下記までe-mail又はお電話にてご連絡下さい。

 一般財団法人 山縣記念財団
 TEL: 03-3552-6310
 E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp

「第43回我ら海の子展」を後援しました

「第43回我ら海の子展」(主催 一般財団法人サークルクラブ協会、公益社団法人日本海洋少年団連盟)が開催され、当財団は後援団体として参加しました。
全国の子供達から7,125件の応募がありました。
その内、国土交通大臣賞はじめ、主催者、後援者、個人審査員による特別賞、金賞、銀賞並びに東日本大震災を機に新設された「がんばろう日本賞」の合計61作品に各賞が贈られました。

(※以下の写真をクリックすると、拡大画像が表示されます。)
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「第43回我ら海の子展」授賞式後の集合写真
2015.8.18 於ホテル・ニューオータニ(東京)


山縣記念財団理事長賞には群馬県の小学2年生、馬場惺矢(ばば せいや)さんの絵画「夢のようなナイトクルーズ」が選ばれました。
2015年8月18日、ホテル・ニューオータニ(東京)にて、各賞の授賞式が開催され、当財団小林理事長より馬場さんに賞状が贈られました。

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今後、受賞作品展示発表会が全国を巡回予定です。
展示会の日程は、以下の通りです。
・ 8月 7日(金)~ 9月 1日(火)銀座ギャラリー(東京メトロ銀座駅・日比谷駅間の地下通路)
・ 9月 4日(金)~ 9月18日(金)国土交通省1階ロビー(平日のみ)
・10月10日(土)~11月 8日(日)アクアマリンふくしま
・11月10日(火)~12月 6日(日)日本郵船氷川丸