8月特集:太平洋戦争と日本商船隊の壊滅

太平洋戦争といえば、真珠湾攻撃はじめ南方などでの激戦や東京大空襲、広島・長崎への原爆投下、沖縄戦などがクローズアップされることが多いのですが、わが国の商船隊・船員の犠牲について語られることは少ないと思います。
資源や食糧の多くを海外に依存している日本にとって、戦争中海上輸送路を絶たれたことは、戦争継続と国民生活の維持の面で致命的でした。

資源の乏しい日本が、諸外国と戦闘を交えるに当たっては、貴重な資源の補給路である海上輸送を確保することが絶対に必要でした。前線部隊にとっても、本土との間の海上輸送が確保されることが命綱でしたので、非戦闘員ながら、民間船の乗組員は、命がけで海上輸送に取り組みました。

軍人や一般民間人の犠牲とともに、こうした6万人に上る徴用船員(含・商船・機帆船・漁船の乗組員)の犠牲を忘れてはなりません。船員の損耗率(人口比の死亡率)は43%と、軍人の損耗率(陸軍20%、海軍16%)を上回り、又、15~16歳といった年少船員の犠牲が多かったことも特筆すべきでしょう。

詳細は、以下の記事をクリックしてご覧下さい。

1.
太平洋戦争海域別戦没船員数・戦没船隻数
駒宮真七郎著「戦時輸送船団史」(出版共同社、1987年)及び「戦時船舶史」(自費出版、1991年)などによる海域別の戦没船員数及び船舶隻数のデータを元に、地図上の各海域にグラフで表示しました。          
2.
太平洋戦争と日本商船隊壊滅への経緯

3.
太平洋戦争戦没船舶の記録
辰神丸 山月丸   高津丸    辰鳩丸と「ヒ86船団」の悲劇

4.
関係者の証言から (山下新日本汽船(株)「殉職者追悼録」より引用)
(1)追憶 山下太郎
(2)呉竹丸遭難記 赤崎克巳
(3)わが遭難記 坂場政敬
(4)辰鳩丸の最後と乗組員の受難記  小松勝利

5.
関連図書・ウェブサイトの紹介
(1)関連文献中の宮本三夫「太平洋戦争 喪われた日本船舶の記録」(成山堂書店2009年3月)は、
2010年山縣勝見賞を受賞しました。