- 24/12/21
当財団は、新年1月6日(月)より、以下三事業の募集を順次致しますので、夫々の募集要領(又は早見表)をご覧の上、末尾の連絡先宛、是非ご応募・お問合せをお願いします。
1.海事交通研究第74集寄稿論文募集
当財団は、『海事交通研究』(年報)を1965年(昭和40年)11月に創刊し、海運とその周辺分野に関する最新の研究成果を発表して参りました。≪募集要領へ≫
2.2025年山縣勝見賞の募集
当財団は、2008年に創立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海事交通文化の調査・研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を表彰しております。≪募集要領へ≫
3.2025年度補助金助成申込みの募集
当財団は、海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への補助金助成活動を行って参りました。≪募集要領へ≫
※※※※ 1.『海事交通研究』第74集への掲載論文等募集のご案内 ※※※※
当財団は、『海事交通研究』を1965年(昭和40年)11月に創刊し、海運とその周辺分野に関する最新の研究成果を発表して参りました。
今後とも、本誌は、海事社会、海事産業における現代的な課題のみならず、時代を超えた普遍的な事象を取り上げ、将来的な方向性を捉えて世に問う役割を担っていき
たいと考えています。
2025年12月発行予定の第74集につきましても、以下要領にて掲載論文等の募集を致しますので、奮ってご応募くださいますようご案内申し上げます。
なお、本件に関する最新情報については、当財団ホームページでご確認ください。
・・・・・・募集要領・・・・・・
1.募集対象:海運、物流、港湾、造船、海洋環境、海法、海上保険及びその周辺分野をテーマとする
(1)論文(査読の対象)、または、
(2)海事関連レポート(調査/活動報告、体験レポート、現地レポート等。査読の対象とはなりません)
上記分野であれば、テーマは自由といたします。
2. 応募資格者:どなたでも応募出来ます。
3. 応募の条件 :
(1) 未発表のもの(二重投稿・剽窃・自己剽窃とみなされる論文等の投稿は不可)。他誌/媒体にすでに掲載された文章を一定範囲で再掲される場合は必ずご相談ください。著書や新聞等の文献から引用した場合及び発想を転用した場合は、出典(著者名・タイトル・発行所名・発行年月等)を明記(但し、ウェブサイト上の資料を利用した場合は、URLとアクセスした日付を明記)してください。
(2) 原則日本語としますが、相談に応じます。共著も可。
4. 容量:A4版縦置き横書き(40字×40行)で最大14ページ(冒頭にアブストラクト(要旨)を5~10行、キーワードを5個以内で記載し、目次・図表・注・参考文献等も含む)。
5. 応募・審査手順:
(1) 論文等執筆の申請をされる方は「年報掲載論文等執筆申請書」(以下「申請書」という)を2025年1月6日(月)~2月28日(金)の間に、メール・郵便(2月28日消印まで有効)又はFAXによりお送りください。(本誌巻末の「申請書」書式を切取線から切り取り、ご使用ください。申請書のWordフォームがお入用の方はご連絡ください。)
(2) 当財団の「年報掲載作品編集委員会」(以下「編集委員会」という)が提出された申請書を審査し、論文等の執筆を応諾するかどうかを3月末までにご連絡致します。
(3) 原稿提出は2025年7月20日(日)23時59分を財団着信時刻の締切として、メールに添付して応募することとします。
6. 提出論文の年報への掲載可否については、査読(注)を経て、編集委員会での審議にて決定次第お知らせします。(論文以外の形式で執筆された作品は査読の対象外です)。
発行は、2025年12月上~中旬の予定です。査読を経た論文には、≪研究論文(査読付き)≫と明記します。
(注)査読は、研究論文として応募されたものを対象に、大学または大学に準ずる教育研究機関において教育研究の経験のある者、および民間企業等で実務経験のある者の中で、査読対象の論文の研究分野に精通している者によって行い、①新規性・独創性、②有用性、③信頼性・公平性・客観性、④首尾一貫性、課題達成度、具体的提案、⑤読みやすさを評価項目とします。
7. 原稿料:年報に掲載された論文等については当財団所定の料率にて原稿料をお支払いします。
8. 年報掲載論文等執筆申請書・論文等の提出先・問合せ先:本誌p.83をご覧ください。
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過去の年報掲載論文(2017年第66集まで)はこちらから
過去の年報掲載論文(2018年第67集から)はこちらから
※※※※ 2.「2025年山縣勝見賞」募集のご案内 ※※※※
当財団は、2008年に設立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、国民生活に重要な役割を果たしている海運を中心とする海事交通文化の研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を対象として表彰する制度を発足しましたが、この度も「2025年山縣勝見賞」への応募を以下の通り受け付けます。
・・・・・・募集要領・・・・・・
1. 募集対象分野 :募集対象:海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする著作(共著も可)、論文ならびに業績
2. 募集開始日 :2025年3月3日(月)
3. 応募締切日 :2025年4月30日(水)(当日の消印有効)
4.賞の種類及び対象
①著作賞 海事関係の単著又は共著で、2022年1月1日から2024年12月31日までの間に発表されたもの。
②論文賞 海事関係論文で、上記と同期間に発表されたもの。
③功労賞 海事交通文化の発展に顕著な業績のあった個人。特にその業績の対象期間は問わない。
④特別賞 上記三賞に匹敵する功績が認められる個人または法人ならびにその事業で、例えば、海事交通文化の発展に寄与する各種媒体(著作、絵画、映像、構造物等)の制作やイベント(研究/教育/広報/振興/展示/公開活動等)の企画・運営等につき、顕著な業績のあった者。
なお、過去に、山縣勝見賞、或いは、他の学会又は団体等が運営する賞を受賞している場合でも受賞の資格を有するものとします。
5. 賞金 :各賞とも20万円
6. 応募手続:上記①・②の応募は、個人・団体の推薦または自薦によるものとします。
③・④は、推薦のみによるものとします。
応募者(推薦者/申請者)は、当財団宛所定の推薦/申請書(①・②用と③・④用の2種類のフォームがあります。Excelフォームが必要な方はご連絡下さい)に
推薦/申請理由書ならびに当該著書・論文コピーを1部添付のうえ提出してください(著書は後日返却可能)。
7. 受賞者の発表:受賞者の氏名等は、2025年6月に当財団のホームページ、その他海事関連のメディアを通じて発表します。なお、受賞者への贈呈式は2025年7月21日(月・祝)の「海の日」の前後に行います。
※※※※ 3.2025年度補助金助成申請のご案内 ※※※※※
当財団は、(1)海事交通文化の普及・発展に貢献する事業(以下 海事普及事業 という)、及び(2)海事に関する研究活動(以下 海事研究活動 という)への支援・助成活動を行って参りましたが、2025年度につきましても以下の通り募集いたします。
・・・・・・募集要領 (1)海事普及事業への助成用・・・・・
1. 募集対象:海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする事業への助成・協力
2. 募集開始日 :2025年1月6日(月)
3. 応募締切日 :2025年2月28日(金)(当日の消印有効)
4. 申請のための条件 :
(1)2025年4月から2026年3月までに実施する事業であること
(2)収益を目的とする事業ではなく、海事交通文化の発展に貢献し、または貢献しようとする事業や研究活動であること。
(3)2025年2月までに実施したことのある事業の場合は、その実績が一定の評価を得ていること。また、これから実施しようとする事業の場合は、当該事業を実施するための実態的な人材・知見が整い、事業目的が明確に示されていること。
(4)事業の経費のうち、当該事業の実施のために直接必要な経費(以下、直接経費という)を対象とする。一方、当該事業を含む申請者の活動全般に包括的に必要な経費は対象外とする。例えば、機器・図書の購入費、人件費、学会等参加費、交通費、宿泊費等は、直接経費と判断される場合のみ対象とする。
(5)補助金を2026年3月までに使い切れないことが判明した場合は、申請以外の使途に流用することなく、2026年3月までに当財団に差額を返金すること。
(6)補助金を利用して活動した後、「補助金に係わる収支及び活動報告書」(海事普及事業への助成用)を、遅くとも2026年4月までに提出すること。
(7)事業の成果について発表する場合は、当財団の補助金による事業である旨の記載を行うこと。
5.申請金額の目安:1年間の海事普及事業への助成承認実績(過去3年間(2022-2024)の平均)は、7件、170万円であり、1件当たりの平均助成額は約24万円となる。
6.申請手続:補助金助成申請書の提出、または寄附金申込手続きの実行による。
7.審査結果の発表:助成審査委員会(2025年3月上旬開催予定)にて審査し、理事会(2025年3月中~下旬開催予定)に答申。結果は2025年3月末日までに申請者宛連絡する。
・・・・・・募集要領 (2)海事研究活動への助成用・・・・・
1. 募集対象:海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする研究活動への助成・協力
2. 募集開始日 :2025年1月6日(月)
3. 応募締切日 :2025年2月28日(金)(当日の消印有効)
4. 申請のための条件 :
(1) 2025年4月から2026年3月までに実施する事業であること
(2)研究活動の経費のうち、当該研究活動の実施のために直接必要な経費(以下、直接経費という)を対象とする。一方、当該研究活動を含む申請者の活動全般に包括的に必要な経費は対象外とする。例えば、機器・図書の購入費、人件費、学会等参加費、交通費、宿泊費等は、直接経費と判断される場合のみ対象とする。
(3)補助金を2026年3月までに使い切れないことが判明した場合は、申請以外の使途に流用することなく、2026年3月までに当財団に差額を返金すること。
(4)申請者の所属する大学等が当該補助金に係る会計処理を担当し、その事務経費の支払に補助金の一部を充当したいとの申し出があるときは協議に応じる。
(5)補助金を利用して活動した後、「補助金に係わる収支及び活動報告書」(海事研究活動への助成用)及び「研究成果報告書」(A4フォームにより10ページ以上)を、遅くとも2026年 4月までに提出すること。
(6)研究活動の成果について発表する場合は、当財団の補助金による研究活動である旨の記載を行うこと。
5.申請金額の目安:1年間の海事研究活動への助成承認実績(過去3年間(2022-2024)の平均)は、3件、58万円であり、1件当たりの平均助成額は約19万円となる。
6.申請手続:補助金助成申請書提出、または寄附金申込手続きの実行による。
7.審査結果の発表:助成審査委員会(2025年3月上旬開催予定)にて審査し、理事会(2025年 3月中~下旬開催予定)に答申。結果は2025年3月末日までに申請者宛連絡する。
8.補助金の振込:申請者の請求書又は寄附金受入通知(金額、目的、振込口座、名義、振込希望年月日を記載)に対して行う。
【以上三事業の申請書等の送付先・問合わせ先】
一般財団法人 山縣記念財団
〒104-0032 東京都中央区八丁堀1-4-5 川村八重洲ビル2F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp
- 24/12/21
12月11日発行後、海事関連の研究者の皆様や企業、団体並びに公立や大学の図書館に配本しました。配本先図書館等はこちらからご覧下さい。
お手許にお取り寄せご希望の方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、またはお電話にてお申込み下さい。
また、本誌をお読みになってのご感想・ご意見なども是非お寄せ下さい。
お問い合わせフォーム
TEL(03)3552-6310
≪序文≫
本年も、『海事交通研究』第72集をここにお届けいたします。
執筆ならびに査読をいただいた先生方にお礼を申し上げます。
今号では、前号、前々号でも採り上げられた「自動運航船」関連の冒頭の 2 本の論文、「船級協会」関連の論文、太平洋戦争期の日本の海運政策についての論文、さらには、災
害時のみならず武力紛争時の運用も考慮に入れた「病院船」に関する論文があり、非常に多岐に亘る内容となっていると思います。
このうち、太平洋戦争期の日本の海運政策についての論文では、当財団創設者の山縣勝見が、戦時中に「海運自治連盟」を結成した村田省蔵氏の下で、海運統制の実務に携わっ
ていた当時に執筆したいくつかの論考や大著『戦時海運統制論』(1944 年)が脚注に引用されています。当時、戦争の遂行に当たり、民間船舶の国家管理、陸海軍への徴用が進み、
山縣らは海運統制の下で、船舶の運航管理を如何に効率的に行っていくか、その手順作りと運用に腐心していたことが伺われます。こうして実行に移されていった海運統制でした
が、陸海軍首脳の関心は最前線の戦闘、海軍にあっては日露戦争以来伝統としてきた「大艦巨砲主義」の艦隊決戦を作戦の中心にし、戦場に至る物資の海上補給を担った民間船舶
からなる輸送船団の護衛にはほとんど目を向けていなかったので、戦争の進展に伴い、多くの民間船舶と船員が戦争の犠牲になり、船舶の補給もままならず、戦争の帰趨に致命的
な影響を及ぼしました。
今号の最後には、2021 年『暁の宇品―陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』を執筆した堀川惠子氏による特別寄稿を掲載しました。広島市宇品にあった陸軍船舶輸送司令部を描いた
本作は、船舶の重要性についてあますことなく伝えた力作であり、戦後 80 年に当たる 2025年の年明けを間近に控え、是非多くの皆様にこうした「歴史」を「過ぎ去ったこと」とし
て終わらせることなく、今後とも記憶に留めて頂きたい、と切望します。
世界に目を転ずれば、2022 年 2 月に開始されたロシアのウクライナ侵攻や、2023 年 10月に勃発したパレスチナ・イスラエル間の戦争の先行きも不透明であり、世界の国家間、
或いは同じ国家内でも、分断が深まりゆく気配が感じられます。これまで世界の潮流であった「グローバリズム」や「ダイバーシティ」、或いは環境重視の動きに対しても、それら
を再考する動きも見受けられ、もどかしさが感じられます。
海運の世界もこれらの世界の動きから少なからず影響を受けざるを得ず、現に、武装組織による商船への攻撃が増加している紅海の航行を回避し、喜望峰迂回が常態化している
など、さまざまな影響が生じています。世界中の人々にとって不可欠な自由な通商の流れ、航海の安全を確保するためにも、早期の平和の実現が望まれます。
また、この欄でも何度か言及していますが、四方を海に囲まれ、海から多くの恩恵を受け、世界中からの食糧・生活物資・エネルギーの供給を受けている日本人にとって、「海」、
「船」そして「海運」の世界は、もっと身近で親しみやすい存在になっても良いはずであり、そのための広報の努力を今後とも続けて行ければと思います。
序 文
2
今後とも、この誌面において、多くの優れた論考が寄せられることを期待し、最後になりましたが、皆様のご健康とますますのご発展とをお祈りして、筆をおきます。
2024年12月
一般財団法人 山縣記念財団
理事長 郷古 達也
≪目次≫
序文 |
郷古 達也 |
|
≪研究論文(査読付き)≫
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海上交通管制の機能的発展と展望
―自動運航船の普及に向けた VTS 機能の再検討と MTS の共進化―
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鮫 島 拓 也 |
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自動運航船における遠隔操船所(Remote Operation Center)の法的性質とその課題
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下 山 憲 二 |
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船級協会に対する責任の追及と裁判権免除
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坂 巻 静 佳 |
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太平洋戦争期における日本の絶対的海運政策
―外国船利用政策と戦時造船政策を中心に―
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梶 尾 良 太 |
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日本の現状を踏まえた病院船に関する一考察
―武力紛争時の運用の考慮―
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浦 口 薫 |
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≪特別寄稿≫
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『暁の宇品』を執筆して
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堀 川 惠 子 |
執筆者紹介
山縣記念財団からのお知らせ
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≪執筆者紹介≫
(掲載順)
鮫島 拓也(さめしま たくや)
海上保安大学校本科卒業 三級海技士(航海)。筑波大学大学院システム情報工学研究科前期課程修了 修士(社会工学)。海上保安大学校海上警察学講座講師、海上保安
国際研究センター研究員。研究分野は、海上交通政策、海難事故分析、海上交通法規など。
論文:「自動運航船の実用化と海上交通法規が抱える諸問題―“vessel”(「船舶」)の定義に関する一考察」海上保安大学校研究報告第 67 巻第 1 号(2022 年)など。「データ
駆動ベイジアンネットワークを用いた海難事故分析」(日本航海学会、2024 年 5 月)、「近海海運における自動運航船の普及に向けて―海難事故リスクへの影響と法的課題―」海
上交通法規研究会(日本航海学会、2024 年 10 月)など。
所属学会は、日本航海学会、日本公共政策学会、日本地域政策学会。
下山 憲二(しもやま けんじ)
関西大学法学研究科博士課程後期課程単位取得退学。修士(法学)。高知短期大学准教授を経て、2015 年海上保安大学校准教授に就任し、2021 年に教授。政策研究大学院
大学連携教授も併任。専門は国際法(海洋法)、研究テーマは海洋の科学的調査、通航権、海上法執行。
主要論文に「海洋環境保護を理由とする無害通航の規制―沿岸国による海洋環境保護措置の拡大を中心に―」、「排他的経済水域における Military Survey に
関する一考察」、「武力攻撃事態等における海上法執行機関の法的地位と課題」、「無人航空機を使用した海上法執行活動に関する課題」がある。当誌には「係争海域内での海洋
の科学的調査―第三国による実施に伴う課題を中心に―」第 66 集(2017 年 12 月)、「自動運航船の導入に伴う沿岸国の課題―法執行の観点を中心に―」第 71 集(2022 年 12 月)
へ寄稿がある。
所属学会:国際法学会、防衛法学会、日本海洋政策学会等。
坂巻 静佳(さかまき しずか)
東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)(東京大学)。静岡県立大学国際関係学部講師、同准教授を経て、現在同教授。専門は
国際法。国際海洋法に関する近著として、「自動運航船と国連海洋法条約上の旗国の義務」『海事交通研究』71 集(2022 年 12 月)、「海洋構築物の保護法制」奥脇直也・坂元
茂樹編『海上保安法制の現状と展開:多様化する海上保安任務』(有斐閣、2023 年)、「感染症の発生した外国船舶に対して寄港国のとりうる措置――入港の許否と入港中の船
舶に対する管轄権」坂元茂樹・植木俊哉・西本健太郎編『日本の海洋法制度の展望』(有信堂、2024 年)等。
所属学会は、国際法学会、世界法学会、日本海洋政策学会等。
梶尾 良太(かじお りょうた)
北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻修士課程修了。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程文化形態論専攻。修士(文学)。兵庫県立龍野北高等学校定時制課
程教諭、兵庫県立加古川北高等学校教諭を経て、現在は兵庫県立加古川南高等学校教諭。
専門分野は、日本近現代史、戦時経済史。大阪歴史科学協議会研究委員、兵庫県高等学校教育研究会社会(地理歴史・公民)部会本部情報部長を務めている。主な論文に「太
平洋戦争前半期における日本の戦争指導と船舶問題―船舶の配分をめぐる問題を中心に―」(『ヒストリア』第 303 号、大阪歴史学会、2024 年 4 月)、「戦時体制下における日
本の海運業と統制―1937 年~1942 年―」(『北大史学』第 59 号、北大史学会、2019 年11 月)がある。
所属学会は、史学会、日本史研究会、軍事史学会、社会経済史学会、大阪歴史学会、大阪歴史科学協議会、北大史学会。
浦口 薫(うらぐち かおる)
防衛大学校国際関係論学科卒業後、海上自衛隊入隊。防大総合安全保障研究科前期課程修了(山﨑学生奨励賞受賞)、同後期課程満期退学。2020 年に大阪大学より博士号(国
際公共政策)授与。潜水艦部隊、統合幕僚監部等での勤務や中曽根平和研究所主任研究員等の研究活動を経て、現在、防大国防論教育室准教授(2等海佐)。著書:『封鎖法の
現代的意義』(大阪大学出版会、2023 年)(猪木正道賞奨励賞受賞)。
当誌に「戦時に紛争非当事国の海上交通が直面する脅威の変遷と対応 ―戦時に海上交通を確保するための具体策―」『海事交通研究』第 72 集(2023 年 12 月)へ寄稿があるほか、多数の査読論
文あり。学会報告:「海上封鎖の現代的意義」国際法学会への報告、2022 年 9 月等。
専門は海洋安全保障、国際法(特に海戦法規、海洋法)。
所属学会:日本防衛学会、国際法学会、世界法学会、防衛法学会、国際安全保障学会等。
堀川 惠子(ほりかわ けいこ)
ノンフィクション作家 1969 年広島県生まれ
広島テレビ放送・報道部記者を経て東京で独立。テレビディレクターとして放送ウーマン賞、放送人グランプリ、ギャラクシー賞大賞受賞など。2013 年から執筆に専従。『死
刑の基準』(日本評論社)で講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命』(講談社)で新潮ドキュメント賞、『教誨師』(講談社)で城山三郎賞、『原爆供養塔』(文藝春秋社)で
大宅壮一ノンフィクション賞、『狼の義 新 犬養木堂伝』(KADOKAWA)で司馬遼太郎賞、『暁の宇品』で大佛次郎賞、及び山縣勝見賞・特別賞(同作を通じて船舶の重要
性を伝えた著者とその講演活動に対して)を受賞。
最新刊は『透析を止めた日』(講談社 2024)。
広島大学特別招聘教授、讀賣新聞読書委員、開高健ノンフィクション賞審査員、アジア・太平洋賞選考委員などを歴任
(敬称略)
- 24/12/20
2024年12月27日(金)から2025年1月5日(日)まで冬季休業とさせて頂きます。
- 24/09/02
「第52回我ら海の子展」(主催 一般財団法人サークルクラブ協会、公益社団法人日本海洋少年団連盟)の授賞式が2024年8月23日ホテル・ニューオータニ(東京)にて開催され、当財団は後援団体として参加しました。
全国の中学生、小学生、幼児から「私の海」をテーマにした絵画2,852点の応募がありました。
その内、国土交通大臣賞3作品(中学生の部、小学生高学年、低学年以下の部)はじめ、主催者、後援者、個人審査員による特別賞、金賞、銀賞の合計56作品に各賞が贈られました。
(※以下の写真をクリックすると、拡大画像が表示されます。)
「第52回我ら海の子展」授賞式の集合写真
2024.8.23 於ホテル・ニューオータニ(東京)
山縣記念財団理事長賞には、中学1年生 河村 悠衣(かわむら ゆい)さんの
絵画「海をきれいに」が選ばれ、当財団郷古理事長より河村さんに賞状が贈られました。
今後の受賞作品展示会の日程は、以下の通りです。
・銀座ギャラリー 8月6日(火)~ 9月10日(火)
・国土交通省 1階ロビー 10月1日(火)~10月11日(金)(予定)
・アクアマリンふくしま 11月2日(土)~12月1日(日)(予定)
・琴平海洋博物館、氷川丸、アクアワールド茨城 大洗水族館、神戸海洋博物館は今後決定します。
- 24/08/02
当財団が助成・協賛している特別展示『海の人類史 パイオニアたちの100万年』が、10月6日(日)まで、東京駅前(丸の内)のKITTE(旧東京中央郵便局)2-3階にある「インターメディアテク」で開催中です。
https://www.intermediatheque.jp/ja/schedule/view/id/IMT0277
今回の展示の特徴は「原始x現代のコラボ」、先史時代人、現代人、それぞれによる「海への挑戦」がテーマです。
第一部の「先史時代の挑戦」は、2019年7月「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」を成功させた海部陽介氏を中心とした東京大学総合研究博物館により、人間にとって初めての海事・海運行動の意義と意味を考える場となっています。
また、第二部の「現代のチャレンジ」は、海部氏と「東京大学海事デジタルエンジニアリング講座(MODE)」(代表:村山英晶教授)のコラボから発展し、人類が長年に亘って磨いてきた風力による航海技術が、今再び「ウインドチャレンジャー」「ウインドハンター」といった新技術を通して注目されている状況や、海上の安全や環境保全に向けての海事産業の動きについて、(株)商船三井や(一財)日本海事協会の協力によりクローズアップされています。
皆様のご来場をお待ちしています。
- 24/07/31
2024年8月13日(火)から15日(木)まで夏季休業とさせて頂きます。
- 24/07/16
当財団が海事交通文化の研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰するために、2008年に創設した「山縣勝見賞」は本年第17回目を迎え、7月16日(火)「2024年山縣勝見賞」の贈呈式を、都内で開催致しました。
「2024年山縣勝見賞」贈呈式における受賞者記念撮影 2024年7月16日
左から根川 幸男氏(著作賞)、松尾 俊彦氏(著作賞)、高田 富夫氏(功労賞)、佐藤 辰宣氏(特別賞 堀川 惠子氏代理) |
(写真をクリックすると大きくなります。) |
受賞者、受賞者略歴、選考理由は以下の通りです(敬称略)。 |
2024年山縣勝見賞受賞者概要
≪著作賞≫
根川 幸男著『移民船から世界をみる 航路体験をめぐる日本近代史』
(法政大学出版局、2023年8月刊)
受賞者略歴:
1963年大阪府生まれ。サンパウロ大学哲学・文学・人間科学部大学院修士課程修了。博
士(学術)(総合研究大学院大学)。専門は移植民史。ブラジリア大学文学部准教授を経て、
現在、国際日本文化研究センター特定研究員。同志社大学、滋賀県立大学、広島大学で兼
任講師。主要著書に『ブラジル日系移民の教育史』(みすず書房、2016年)ほか。
選考理由:
移民船の船旅という観点からの考察は、独創性があり乗船体験の紹介も珍しい。海洋動物との出会い、食事にまつわること、船内の揉め事など、飾らない日常が読み取れる。また、歴史的背景、写真、資料を添えることで記述が引き立っている。まさにわが国の近現代史の1側面であり、その歴史において船舶が果たした役割は指摘して余りあるものであり、本書はそのことを改めて気づかせてくれる好著として評価できる。
≪同≫
松尾 俊彦著『日本の内航海運の研究』
(晃洋書房、2023年12月刊)
受賞者略歴:
1955年広島県生まれ。1976年広島商船高等専門学校航海学科卒業。1980年東京商船大学商船学部航海学科卒業。2002年東京商船大学大学院商船学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。現在、大阪商業大学総合経営学部教授。主要著者に『モーダルシフトと内航海運』(共著、海文堂出版、2020年)ほか。
選考理由:
外航の海運と比較すると、相対的に研究が少ない内航海運において、いろいろな切り口か
ら、問題の本質を考察し、体系的かつ平易に整理されており理解しやすい構成になっている。現在の内航海運の課題である高齢化、働き方改革による船員不足の加速などを中心に論じられており内航海運の歴史をふまえた記述には説得力がある。学術的価値があるとともに、よくまとめ上げられた好著として評価できる。
≪論文賞≫
該当者なし
≪功労賞≫
高田 富夫氏(流通経済大学名誉教授)
受賞者略歴:
1971年早稲田大学第一商学部卒業。1973年 早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。1976年 早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。1978年 名古屋学院大学経済学部専任講師。1997年 早稲田大学博士(商学)。2000年 流通経済大学流通情報学部教授を経て、現在、流通経済大学名誉教授。2015年~2023年 (一財)山縣記念財団理事。主要著書に『海運産業の成長分析』(晃洋書房 1996年)ほか。
選考理由:
長年にわたり、学術面・公益面で、海運、物流、ロジスティクス分野の発展に多大なる貢献をされたことは功労賞に値する。
≪特別賞≫
堀川 惠子氏(ジャーナリスト、ノンフィクション作家)
受賞者略歴:
1992年広島大学総合科学部卒業。広島テレビ放送にて報道記者、ディレクターを兼務。2004年同報道部デスクを最後に退社、東京にて番組制作にたずさわる。読売新聞社・読書委員(2022年~2023年)、広島大学特別招聘(しょうへい)(しょうへい)教授。「第23回司馬遼太郎賞」(『狼の義 新 犬養木堂伝』〈林新氏と共著〉に対して)「第1回城山三郎賞」(『教誨師』に対して)、「第48回大佛次郎賞」(下記作品に対して)をはじめ、数々の作品に対して文学賞等を受賞している。
選考理由:
『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(講談社、2021年7月刊)は、日本にとっての船舶の重要性に注目し、シーレーンの安全と船舶による輸送力の確保が、平時にも戦時も決して欠けてはならないことを伝えるために、太平洋戦争開始前に、広島・宇品の陸軍船舶司令官であった田尻昌次中将の膨大な手記をはじめとした資料や聞き取り調査を元に著した渾身の力作であり、この本を通じての船舶の重要性を伝える講演活動も含め、特別賞に値する。
以上
- 24/06/19
6月17日付にて、以下のとおり異動がありました。
評議員
退任
石井 憲
伊藤 義和
逸見 真
新任
高野 茂(たかの しげる)
稲岡 俊一(いなおか としかず)
瀬田 真(せた まこと)
これに伴い、財団案内役員・評議員・研究員<http://www.ymf.or.jp/zaidan/official/>のページを更新しました。
- 24/06/03
当財団は、2008年に設立者の名前を冠した「山縣勝見賞」を創設し、海運を中心とする海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果(著作・論文)や業績を対象として表彰する制度を発足しましたが、このほど「2024年山縣勝見賞」の受賞者が下記の通り決定しましたので、お知らせ致します(敬称略)。
なお、贈呈式は7月16日に都内にて開催する予定です。
2024年山縣勝見賞受賞者概要
≪著作賞≫
根川 幸男著『移民船から世界をみる 航路体験をめぐる日本近代史』
(法政大学出版局、2023年8月刊)
受賞者略歴
1963年大阪府生まれ。サンパウロ大学哲学・文学・人間科学部大学院修士課程修了。博士(学術)(総合研究大学院大学)。専門は移植民史。ブラジリア大学文学部准教授を経て、現在、国際日本文化研究センター特定研究員。同志社大学、滋賀県立大学、広島大学で兼任講師。主要著書に『ブラジル日系移民の教育史』(みすず書房、2016年)ほか。
選考理由
移民船の船旅という観点からの考察は、独創性があり乗船体験の紹介も珍しい。海洋動物との出会い、食事にまつわること、船内の揉め事など、飾らない日常が読み取れる。また、歴史的背景、写真、資料を添えることで記述が引き立っている。まさにわが国の近現代史の1側面であり、その歴史において船舶が果たした役割は指摘して余りあるものであり、本書はそのことを改めて気づかせてくれる好著として評価できる。
同
松尾 俊彦著『日本の内航海運の研究』
(晃洋書房、2023年12月刊)
受賞者略歴
1955年広島県生まれ。1976年広島商船高等専門学校航海学科卒業。1980年東京商船大学商船学部航海学科卒業。2002年東京商船大学大学院商船学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。現在、大阪商業大学総合経営学部教授。主要著者に『モーダルシフトと内航海運』(共著、海文堂出版、2020年)ほか。
選考理由
外航の海運と比較すると、相対的に研究が少ない内航海運において、いろいろな切り口から、問題の本質を考察し、体系的かつ平易に整理されており理解しやすい構成になっている。現在の内航海運の課題である高齢化、働き方改革による船員不足の加速などを中心に論じられており内航海運の歴史をふまえた記述には説得力がある。学術的価値があるとともに、よくまとめ上げられた好著として評価できる。
≪論文賞≫
該当者なし
≪功労賞≫
高田 富夫氏(流通経済大学名誉教授)
受賞者略歴
1971年早稲田大学第一商学部卒業。1973年 早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。1976年 早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。1978年 名古屋学院大学経済学部専任講師。1997年 早稲田大学博士(商学)。2000年 流通経済大学流通情報学部教授を経て、現在、流通経済大学名誉教授。2015年~2023年 (一財)山縣記念財団理事。主要著書に『海運産業の成長分析』(晃洋書房 1996年)ほか。
選考理由
長年にわたり、学術面・公益面で、海運、物流、ロジスティクス分野の発展に多大なる貢献をされたことは功労賞に値する。
≪特別賞≫
堀川 惠子氏(ジャーナリスト、ノンフィクション作家)
受賞者略歴
1992年広島大学総合科学部卒業。広島テレビ放送にて報道記者、ディレクターを兼務。2004年同報道部デスクを最後に退社、東京にて番組制作にたずさわる。読売新聞社・読書委員(2022年~2023年)、広島大学特別招聘(しょうへい)教授。「第23回司馬遼太郎賞」(『狼の義 新 犬養木堂伝』〈林新氏と共著〉に対して)「第1回城山三郎賞」(『教誨師』に対して)、「第48回大佛次郎賞」(下記作品に対して)をはじめ、数々の作品に対して文学賞等を受賞している。
選考理由
『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(講談社、2021年7月刊)は、日本にとっての船舶の重要性に注目し、シーレーンの安全と船舶による輸送力の確保が、平時にも戦時も決して欠けてはならないことを伝えるために、太平洋戦争開始前に、広島・宇品の陸軍船舶司令官であった田尻昌次中将の膨大な手記をはじめとした資料や聞き取り調査を元に著した渾身の力作であり、この本を通じての船舶の重要性を伝える講演活動も含め、特別賞に値する。
以上
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