海事プレスにて当財団が紹介されました
2015年3月27日(金)、海事プレス紙に「海事団体ファイル⑲山縣記念財団、戦前の設立から75周年」が掲載されました。下の青下線のタイトルをクリックしてご覧下さい。
2015年3月27日(金)、海事プレス紙に「海事団体ファイル⑲山縣記念財団、戦前の設立から75周年」が掲載されました。下の青下線のタイトルをクリックしてご覧下さい。
2015年3月20日(金)、日本郵船(株)本社(東京・千代田区)にて、(公社)日本海洋少年団連盟主催の2014年度「褒状山縣賞」表彰式が開催され、当財団から、小林理事長が出席しました。
同賞は、同連盟が、優秀な団員又は卒団後も引続き海洋少年団員の指導等に当たっている指導者を顕彰するために、同連盟の第3代会長を務めた山縣勝見(当財団創設者、初代理事長)の名を冠し、当財団からの助成を受けて、2010年度から開設したもので、今回はその第5回目です。
席上、同連盟の草刈隆郎会長(日本郵船相談役)から挨拶と表彰状・バッチの授与がありました。また、当財団小林理事長からも祝辞を送り、記念品として、図書『たいせつなことは船が教えてくれる』(藤沢優月氏著、2012年11月金の星社刊、後記「注」をご参照下さい。)を受賞者の皆さんに贈呈しました。
同連盟は、これにより団員の海運、船舶、海洋環境保全等の知識の更なる向上とモチベーションの昂揚を図り、引続き海洋少年団の指導育成に当たる人材を確保し、これらの活動を通じて、全国の少年少女達への海事思想の普及に大きく寄与するとともに、海洋少年団運動の更なる向上を図ることを目指しています。
2014年度「褒状山縣賞」の受賞者は、以下の13名の皆さんです。
八戸海洋少年団 濱登 由美子さん
八戸海洋少年団 大野 真澄さん
八戸海洋少年団 森下 由貴さん
四日市洋少年団 斎木 政志さん
福岡海洋少年団 峯田 彩也夏さん
佐世保海洋少年団 江口 拓也さん
佐世保海洋少年団 船越 霧さん
佐世保海洋少年団 池田 真太郎さん
佐世保海洋少年団 佐々 宗太朗さん(表彰式には欠席)
佐世保海洋少年団 稗田 徳さん
門司海洋少年団 是永 直輝さん
中日海洋少年団 辻 育美さん
横浜海洋少年団 新岡 久さん
日本海洋少年団連盟 草刈隆郎会長(前列右から2人目)、当財団 小林一夫理事長(前列中央)を囲んで受賞者記念撮影(クリックすると大きくなります。)
注:藤沢優月氏著『たいせつなことは船が教えてくれる』:著者(文筆家)が日本郵船のコンテナ船『NYKオルフェウス』に実際に乗船した体験をもとに、若者に対して、働くことの意義、出会い、絆など人が生きる上で大切なことは何か、についてメッセージを送っている青少年向け図書です。
当財団は、学術研究誌『海事交通研究』(年報)を1965年(昭和40年)11月に創刊し、海運とその周辺分野に関する最新の研究成果を発表して参りました。
2015年11月発行予定の第64集につきましても、以下要領にて掲載論文の募集を致しますので、奮ってご応募下さいますようご案内申し上げます。
※※※※※募集要領 ※※※※※
1. 募集対象論文 :海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする論文。
テーマは、(1)執筆者の希望する「自由テーマ」或いは、(2)下記「指定テーマ」でも結構です。
(1)自由テーマ
(2)今号での指定テーマ:
①災害時の船舶利用
②海事産業における女性の活躍の推進
2. 応募原稿 :
未発表のもので、原則日本語としますが、相談に応じます。共著も可。
3. 原稿執筆要領 :
A4版縦置き・横書き(40字×40行)で10枚(厳守)を限度とします。(目次・図表・注等を含みます。なお、注の部分は、注番号の他は1行当たり44字で行間は本文と同じ。)
4. 原稿提出方法 :
メールに原稿を添付して送信するか、CD等記録媒体をお送り下さい。
5. 応募・審査手順 :
(1) 以下につき、ご了承の上、投稿をお願いします。
①二重投稿並びに既発表論文、又はそれに類似した論文の投稿は不可。
②著書や新聞等の文献から引用した場合及び発想を転用した場合は、出典(著者名・タイトル・発行所名・発行年月等)を明記する。ただし、ホームページ上の資料を利用した場合は、URLとアクセスした日付を明記する。
(2) 論文執筆の申請をされる方は「年報掲載論文執筆申請書」(以下申請書という)を2015年2月2日(月)~3月31日(火)(当日の消印有効)の間に、メール・郵便又はFAXによりお送り下さい。
(3) 当財団の「年報掲載作品編集委員会」が提出された申請書を審査し、年報掲載論文の執筆をお願いするかどうかを4月末までにご連絡致します。
(4) 論文提出期限は2015年8月31日(月)とします。
(5) 執筆頂いた論文の年報への掲載については、編集委員会の審議を経て最終決定致します。
6. 原稿料 :年報に掲載された論文については、当財団所定の料率にて原稿料をお支払いします。
以上
年報掲載論文執筆申請書/論文の提出先・問合せ先:
一般財団法人 山縣記念財団
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-3 正和ビル5F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp
当財団は、海事交通文化の調査・研究及び普及・発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果を表彰するため、2008年に創立者の名前を冠した山縣勝見賞を創設致しましたが、この度2015年山縣勝見賞の募集を開始致しますので、奮ってご応募下さい。
募集要領は以下の通りです。
※※※※※ 2015年山縣勝見賞募集要領 ※※※※※
1.募集対象分野 :
海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野をテーマとする著作(共著も可)、論文並びに業績
2. 募集開始日 :
2015年 1月 7日(水)
3. 応募締切日 :
2015年 3月31日(火)(当日の消印有効)
4. 賞の種類及び対象 :
① 著作賞(30万円) 海事関係の単著又は共著で、2012年1月1日から2014年12月31日までの間に発表されたもの。
② 論文賞(20万円) 海事関係論文で、上記と同期間に発表されたもの。
③ 功労賞(20万円) 海事交通文化の発展に顕著な業績のあった個人で、特にその業績の対象期間は問わない。
④ 特別賞 上記三賞に匹敵する功績が認められる個人又は法人並びにその事業(賞金額は、都度理事会にて決定)
尚、既に他の学会又は団体などから受賞している場合でも受賞の資格を有するものとします。
5. 応募手続 :
個人・団体の推薦又は自薦によるものとします。応募者は、当財団所定の推薦/申請書に当該書籍/論文を1部添付の上、下記住所宛送付して下さい。 (書籍は後日返却します。)
尚、推薦/申請書のエクセル・データが必要な方、その他詳細については当財団(下記)宛お問い合せ下さい。
6. 受賞者の発表 : 受賞者の氏名等は、2015年6月上旬までに当財団のホームページ、その他海事関連のメディアを通じて発表します。
尚、受賞者への贈呈式は7月20日の「海の日」の前後に行います。
※当事業を始めとする当財団の主要三事業の募集要領一覧表はコチラの通りです。
以上
推薦/申請書・書籍/論文送付先・問合せ先 :
一般財団法人 山縣記念財団
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-3 正和ビル5F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp
当財団は、海事交通文化の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への支援・助成活動を行って参りました。
2015年度につきましては、以下の通り募集致しますので、ご応募下さい。
※※※※※ 2015年度支援・助成申込の募集要領 ※※※※※
1. 募集対象分野:
海運、物流、港湾、造船、海上保険及びその周辺分野の調査研究、その他海事の発展に貢献し、または貢献しようとする事業への支援・助成
2. 募集開始日:
2015年 1月12日(月)
3. 応募締切日:
2015年 2月27日(金)(当日の消印有効)
4. 申請条件:
(1) 2015年4月から2016年3月までに実施する事業であること
(2) 収益を目的とする事業は対象とせず、海事交通文化の振興又は調査研究に関連する事業であること
(3) 既に実施している事業で、その実績が一定の評価を得ているもの、又はこれから実施しようとする事業の場合は、当該事業を実施するための実態的な人材・知見が整い、事業目的が明確に示されていること
(4) 本助成金を利用して活動した後、本助成金の使途に関する事後報告を速やかに行うこと
5. 応募手続:
応募者は、当財団所定の申請書(又はこれに代え、募金趣意書など)を送付して下さい。
尚、申請書のワード・データが必要な方、その他詳細については当財団(後記)宛お問い合せ下さい。
6. 審査結果の発表:
助成審査委員会(2015年3月上旬開催予定)により審査し、理事会(2015年3月下旬開催予定)に答申。結果は、4月上旬までに申請者宛連絡します。
※当事業を始めとする当財団の主要三事業の募集要領一覧表はコチラの通りです。
以上
申請書送付先送付先・問合せ先 :
一般財団法人 山縣記念財団
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-10-3 正和ビル5F
TEL:03-3552-6310, FAX:03-3552-6311
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp
≪序文から≫
世界を震撼させたエボラ出血熱感染の脅威・地球規模の自然災害・毎日のように発生するテロの報道・・・そんな気が滅入るような暗い話が多い中で、先日青色発光ダイオードで日本人3人がノーベル物理学賞を受賞し久しぶりに明るい話題で日本列島が沸いた。特に赤崎勇教授の「これまで私を支えてくれた会社や大学など皆さんのサポートのおかげです。1人の力ではない。この場を借りて感謝申し上げます。」と謙虚なコメントを聞いて何かほっとしたものを感じた。
冒頭の数々の不安や不幸な出来事も人類の英知をもって一日でも早く克服することを心より祈りたい。
さて、本年も多くの論文を応募いただき『海事交通研究』第63集を皆様にお届け出来ることを嬉しく思っております。
まず、当財団からの指定テーマに応募いただいた合田浩之氏の北極海航路におけるハブポートの考察は欧州側の現状を解説するとともに、日本における今後のゲートウェー・ポートの論議に示唆を与える論文であります。
斎藤吉則氏は東日本大震災で甚大な被害を受けた実体験から得た教訓をもとに、今後の大震災対応に向けて企業戦略としてのBCPのあるべき姿を具体的に提案しています。
松尾俊彦先生・永岩健一郎先生は内航フィーダー輸送を拡大するには内航フィーダー船の大型化と外貿コンテナに加え内貨コンテナとの混載も必要となることを見越し、内航フィーダーと内貨コンテナ輸送の両方を研究対象とし考察を試みています。
南健悟先生は船舶の港湾施設との衝突に関し港湾法上の原因者負担制度の要件等についての考えを展開しています。
松本宏之先生は日本の港湾に関するセキュリティ対策について港湾管理者はセキュリティに関する明確な理論的根拠を有すること、制限区域での航行環境の整備等が重要と指摘しています。
長谷知治先生は戦争や海賊の有事リスクに対し海上保険では補填されないところを明らかにしたうえで、それらの備えとして具体案を明示しています。
藤本昌志先生は我が国沿岸、特に船舶交通が輻輳する海域における小型船舶と大型船舶の海難事故を減少させるための方策として小型船舶に対する特別規定の創設、施行について提言をされています。
福山秀夫氏は中国政府の3つの政策(「海鉄連運」・「ユーラシア・ランドブリッジ」・「18か所コンテナセンター整備計画」)の新展開について、現地取材を通し論じています。
寒河江芳美氏は世界最大の船員供給国であるフィリピンの船員問題を海事関連の経験者・実務者から多数ヒアリングした結果を基に、高級士官を育成するにはOJTの充実と船員派遣業者との連携の重要性を説いており、この研究報告は今後の高級士官育成の検討材料に資すると考えます。
この様に貴重な内容の論文を多数掲載できましたこと、厚く御礼を申し上げるとともに、来年度も沢山の応募を頂きますよう重ねてお願い申し上げます。
2014年11月
一般財団法人 山縣記念財団
理事長 小林 一夫
11月25日発行後、海事関連の研究者の皆様や企業、団体並びに公立や大学の図書館に配本しました。関心をお持ちの方は、下記の「お問い合わせフォーム」から、又はお電話にてお申込み下さい。
又、本誌をお読みになってのご感想・ご意見なども是非お寄せ下さい。
一般財団法人 山縣記念財団
お問い合わせフォーム
TEL(03)3552-6310
≪目次≫ | |
序文 | 小林 一夫 |
(山縣記念財団理事長) | |
【指定テーマ】 北極海航路におけるハブポートの考察 ─ノルウェー・ロシアの事例から─ |
合田 浩之 |
(日本郵船㈱ 調査グループ総合調査チーム) | |
【特別寄稿】 東日本大震災から「南海トラフ巨大地震」への備えとBCPを考える |
斎藤 吉則 |
(㈱協伸商会顧問・元JA全農東日本地区部長) | |
内航コンテナ輸送の拡大に関する一考察 ─西日本における内航フィーダー輸送を中心として─ |
松尾 俊彦 |
(大阪商業大学総合経営学部教授) | |
永岩 健一郎 | |
(広島商船高等専門学校教授) | |
港湾施設の損傷と港湾利用者の法的責任に関する一試論 | 南 健悟 |
(小樽商科大学商学部准教授) | |
日本の港湾に関するセキュリティ対策 ─制限区域(水域)の現状と問題点─ |
松本 宏之 |
(海上保安大学校教授) | |
海運・海洋に関するリスク管理 ─有事に係る保険を事例に─ |
長谷 知治 |
(東京大学公共政策大学院 客員研究員) | |
【提言】 小型船舶の衝突海難防止のための特別規定に関する提言 |
藤本 昌志 |
(神戸大学大学院海事科学研究科准教授) | |
【研究報告】 中国鉄道コンテナ輸送の発展とユーラシア・ランドブリッジの新展開 |
福山 秀夫 |
(㈱ジェネック経営企画グループ長) | |
【研究報告】 日本の海運業における外国人船員の採用システム ─日本企業とフィリピン人船員の新卒労働市場─ |
寒河江 芳美 |
(㈱MOLマリン 海技人材事業部 海務監督・船長) |
執筆者紹介
山縣記念財団よりのお知らせ
合田 浩之(ごうだ ひろゆき)
1991年東京大学経済学部経済学科卒業後、日本郵船(株)入社。現在調査グループ総合調査チーム長。博士(法学、筑波大学)、博士(経済学、埼玉大学)。現在日本工業大学大学院技術経営研究科客員教授。2010年『コンテナ物流の理論と実際』(石原伸志氏との共著)で住田正一海事奨励賞、日本物流学会賞並びに日本港湾経済学会北見俊郎賞を受賞。研究テーマは、国際商取引、港湾経済、海運経済、北極海航路、便宜置籍船、海運史等。当年報にも「便宜置籍船–その法的・経済的意義の再検討–」(第54集、2005年)、「船舶解撤業と環境–印度の試み–」(第57集、2008年)、「仕組船の概念の歴史的変遷」(第60集、2011年)と3度の寄稿がある。日本海運経済学会、日本港湾経済学会、日本貿易学会、国際商取引学会等に所属。
斎藤 吉則(さいとう よしのり)
1974年立命館大学経済学部卒業。同年全国農業協同組合連合会(JA全農)に入会。1984年~1988年全農が米国における穀物集荷輸出拠点としてニューオリンズに設立した全農グレーン㈱に出向、帰国後飼料部航運課で主にUSガルフ~日本間の穀物船用船を担当。その後、人事部並びに名古屋・本所・大阪・福岡各支所の飼料畜産生産関連部署勤務を経て、2004年支所廃止後の東日本地区部長(北海道・東北・関東の3ブロック)に就任。2006年北日本くみあい飼料㈱代表取締役社長となり、2011年「東日本大震災」に遭遇、2012年退任。2013年から㈱協伸商会顧問。
松尾 俊彦(まつお としひこ)
2002年東京商船大学大学院商船学研究科博士後期課程修了。広島商船高専助教授、富山商船高専助教授、東海大学海洋学部教授等を経て、現在、大阪商業大学総合経営学部教授。博士(工学)。専門分野は物流論(インターモーダル輸送、物流政策)。海運へのモーダルシフトの研究を進める中で、港湾のあり方にも関心を持つ。近年の論文として、「内航海運における船舶管理の在り方に関する一考察」、「内航海運における船員不足問題の内実と課題」、「内航RORO船・フェリー市場の棲み分けと競争に関する一考察」などがある他、『内航海運』、『交通と物流システム』などの共著作がある。2007年日本物流学会賞受賞。日本物流学会、日本港湾経済学会、日本航海学会、日本沿岸域学会、日本交通学会、日本海運経済学会、IAME、内航海運研究会所属。
永岩 健一郎(ながいわ けんいちろう)
2003年東京商船大学大学院商船学研究科博士後期課程修了。広島商船高専助教授を経て、現在教授。博士(工学)。専門分野は、船舶海洋工学、社会システム工学。近接離島航路のサービス改善策や環境負荷低減に資するモーダルシフト問題、最近では内航コンテナフィーダー船の利用拡大や離島における買い物弱者対策について関心をもつ。近年の論文としては、「海外トランシップコンテナの国内集荷に関する一考察」、「モーダルシフトによる内航フィーダー輸送量の拡大に関する研究」などがある他、『交通と物流システム』、『内航海運』などの共著作がある。2003年日本航海学会賞、2007年物流学会賞受賞。日本物流学会、日本航海学会、日本沿岸域学会所属。
南 健悟(みなみ けんご)
静岡大学人文学部法学科卒業後、北海道大学大学院法学研究科法学政治学専攻博士前期課程及び後期課程を修了し、2010年小樽商科大学商学部企業法学科准教授に就任、現在に至る。博士(法学)。又、2012年10月より、北海道地方交通審議会船員部会委員、2014年4月より、早稲田大学海法研究所招聘研究員。専門は、商法及び会社法。主論文に、「企業不祥事と取締役の民事責任(一~五・完)―法令遵守体制構築義務を中心に」、「違法停泊船と航走船との衝突に関する一考察」(当年報第61集、2012年)、「改正船員法の概要と論点―船員概念及び船長に対する労働時間規制の検討を中心に」がある。日本海法学会、日本私法学会、日本航海学会に所属。
松本 宏之(まつもと ひろゆき)
1979年海上保安大学校卒業後、筑波大学大学院博士課程社会工学研究科を単位取得修了。1988年海上保安大学校交通安全学講座講師、助教授、教授を経て、現在、同大学校海上警察学講座主任教授。博士(経営工学)。専門分野は、海上交通政策と海上交通法。2010年「国際海上衝突予防規則の改正案に関する研究」で、公益社団法人日本航海学会論文賞を受賞。その他、主な書籍として、『海上保安の諸問題』(共著)が、また主な論文として、「海域利用調整に関する一考察」、「海上衝突予防法上の「衝突のおそれ」に関する一考察」、”Towards the Systematization of the Japanese Maritime Traffic Law”などがある。日本航海学会、日本法哲学会、法とコンピュータ学会、中四国法政学会に所属。
長谷 知治(はせ ともはる)
1994年東京大学法学部卒業後、運輸省(現国土交通省)入省。運輸省運輸政策局貨物流通企画課、大蔵省国際金融局(現財務省国際局)、近畿運輸局運航部輸送課長、国土交通省海事局総務課専門官、同油濁保障対策官(外航課課長補佐併任)、人事院在外派遣研究員(英国運輸省海事局)、東京大学公共政策大学院特任准教授等を経て、2011年より同大学院客員研究員。また2014年より国土交通省総合政策局環境政策課地球環境政策室長。船舶職員法、油濁損害賠償保障法の改正や、油濁損害に係る追加基金議定書の策定等に従事。当年報第59集(2010年)掲載論文「環境に優しい交通の担い手としての内航海運・フェリーに係る規制の在り方について~カボタージュ規制と環境対策を中心に~」は、2011年山縣勝見賞論文賞を受賞。所属学会は日本公共政策学会、日本海洋政策研究会。
藤本 昌志(ふじもと しょうじ)
神戸商船大学卒業後、2005年大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了。神戸大学海事科学部助手、助教授を経て、現在、同大学大学院海事科学研究科准教授。博士(法学)。専門分野は海上交通法、安全管理、海事行政。近年の論文として、「護衛艦「あたご」漁船「清徳丸」衝突事件における海難審判と刑事裁判の相違」、「海上交通行政における規制緩和に関する問題–「貨物船R号 貨物船S号衝突事件」を基に–」、「親水水路におけるプレジャーボート航行に関する条例による規制 –芦屋市の事例について–」、著書として『概説 海事法規』(共著)、『海技士1N・2N口述対策問題集』などがある。2012年BEST PAPER AWARD受賞(Asia Navigation Conference 2012)。日本航海学会、日本海洋政策学会、日本海洋人間学会、瀬戸内海研究会議、公法学会、The Nautical Institute、Royal Institute of Navigation所属。
福山 秀夫(ふくやま ひでお)
1980年九州大学法学部卒業後、山下新日本汽船(株)入社。1991年日本郵船(株)に移籍し、北京事務所駐在員などとして勤務の後、(公財)日本海事センター海事図書館長を経て、2014年から (株)ジェネック経営企画グループ長。その間、2005年より中国物流研究会という任意の研究団体で中国鉄道コンテナに関する研究活動を開始。2013年2月と9月に訪中、調査した成果を、日中経協ジャーナル、日本海事新聞、ERINA REPORT、KAIUN、LOGI-BIZで発表した。他に著書として、『ミャンマー海事調査報告書』、『ベトナム海事調査報告書』がある。日本海運経済学会、日本物流学会所属。
寒河江 芳美(さがえ よしみ)
1974年富山商船高等専門学校航海科卒業。同年山下新日本汽船㈱入社。2004年合併後の㈱商船三井の船長職を退任、同年㈱エム・オー・エル・マリンコンサルティング 海技人材事業部(現在の㈱MOLマリン)に移籍し、海務監督・船長に就任。現在派遣先の極東石油工業合同会社において、バース管理業務に携わる。現職の傍ら、2010年慶應義塾大学経済学部卒業(卒論:「海運業界における船員雇用についての一考察–船員労働市場の内部化と人的資源管理–」)、2013年法政大学経営学研究科経営学専攻修士課程人材・組織マネジメントコース修了MBA取得(MBA論文:「日本の海運業における外国人船員の学校教育及び企業の採用・昇進構造 –フィリピン現地労働市場における高級士官育成システムの構築をめざして–」)。
(敬称略)
第42回我ら海の子展(主催 公益社団法人日本海洋少年団連盟、一般財団法人サークルクラブ協会)が開催され、当財団は後援団体として参加しました。
全国の子供達から6,864件の応募がありました。
その内、国土交通大臣賞はじめ、主催者、後援者、個人審査員の特別賞、金賞、銀賞並びに東日本大震災を機に新設された「がんばろう日本賞」の合計61作品に各賞が贈られました。
「第42回我ら海の子展」授賞式後の集合写真
2014.8.18 於ホテル・ニューオータニ(東京)
山縣記念財団理事長賞には広島県の小学5年生、脇田日晴(わきた にちはる)さんの絵画「練習船 世界一周へ出港」が選ばれました。
2014年8月18日、ホテル・ニューオータニ(東京)にて、各賞の授賞式が開催され、当財団郷古常務理事より脇田さんに賞状が贈られました。
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今後、受賞作品展示発表会が全国を巡回予定です。
展示会の日程は、以下の通りです。
・ 8月 8日(金)~ 9月 2日(火)銀座ギャラリー(東京メトロ銀座駅・日比谷駅間の地下通路)
・ 9月 8日(月)~ 9月26日(金)国土交通省1階ロビー(平日のみ)
・10月11日(土)~11月 9日(日)アクアマリンふくしま
神戸市北野にある異人館の一つで、重要文化財である「風見鶏の館」は、かつて当財団が所有していました。
トップページhttp://www.ymf.or.jp/右側の「沿革」の上の「風見鶏の館」の写真をクリックすると、次ページ後半に再度「風見鶏の館」の写真と説明文が表示されるので、ご覧下さい。
当財団が海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰するために、2008年に創設した「山縣勝見賞」は本年第7回目を迎え、7月24日(木)「2014年山縣勝見賞」の贈呈式を、海運クラブにて開催致しました。
(写真をクリックすると大きくなります。)
受賞者、受賞者略歴、受賞理由は以下の通りです。
≪著作賞≫
武城正長著『便宜置籍船と国家』 | |
(大阪商業大学比較地域研究所研究叢書第13巻、御茶の水書房、2013年3月発行) | |
受賞者略歴: | |
1942年生まれ。東京商船大学航海科卒業、同専攻科修了、 | |
広島大学政経学部卒業。 | |
山下新日本汽船(株)、広島商船高等専門学校教授、 | |
大阪商業大学総合経営学部教授などを歴任。 | |
受賞理由: | |
本書は便宜置籍船の定義やギリシャ・アメリカやヨーロッパにおけるその形成・発展経緯 | |
について整理し、その意味や現代社会への影響について、多くの資料を元に考察した | |
著者渾身の一冊であり、研究者のみならず海運実務者や現代の海運社会・国際政治・ | |
法規に関心のある全ての人に勧めたい好著であることが認められる。 |
≪功労賞≫
宮下國生氏 |
受賞者略歴: |
1943年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。 |
神戸大学経営学部教授、流通科学大学商学部教授、大阪産業大学経営学部教授などを |
歴任し、現在、関西外国語大学外国語学部教授、神戸大学名誉教授。 |
受賞理由: |
長年に亘り、我が国の海運・物流・港湾に関する学術研究に尽力され、また、学会に |
おいては日本海運経済学会及び日本交通学会の会長を務めて多くの後進を育てた。 |
数多くの著書や論文を発表し、住田海事奨励賞、日本交通学会賞、日本海運経済学会賞、 |
船員 労働委員会功績に対する運輸大臣表彰、日経・経済図書文化賞並びに藍綬褒章を受賞し、 |
わが国の学界並びに海事行政に多大な貢献をなした。 |
≪特別賞≫
一般社団法人 日本船長協会「子供達に海と船を語る(船長、母校に帰る)」事業 |
受賞団体概要: |
1950年に発足した、船長の経歴を有する者を会員(2003年に日本航海士会を併合し、 |
航海士も会員として構成している)とする団体である。同協会では職務に関連する |
諸問題の調査研究、会誌・図書の発行を行い、海運ならびに海事に関する情報発信、 |
会員相互の親睦と福利増進、社会的地位の向上を図り、その発展に貢献している。 |
今回受賞の対象となった「子供達に海と船を語る(船長、母校に帰る)」事業は、 |
将来の海運の発展を見据え、子供達への海事思想の普及を目的としたプロジェクトである。 |
受賞理由: |
船長が自らの母校や依頼のあった学校(小・中・高)を訪れ、児童や生徒に海や船に |
ついて講演するとともに、関連のビデオ放映、質疑応答などを行い、将来を担う |
子供達に海や船を少しでも知ってもらうことを目的とした本プロジェクトは、2000年、 |
本協会の創立50周年記念事業として開始され、2013年12月までに全47都道府県を回り終え、 |
訪問した学校は130校、児童・生徒数は2万1千人を超えた。子供達の感想文や訪問校 |
の地元新聞記事などを見ても、毎回大きな反響を得、青少年に対する海事交通文化振興 |
に大いに役立っていることが伺える。本活動が一区切りを迎えた機にこれを表彰し、 |
今後の益々の活動の発展を期待する。 |
≪特別賞≫
竹田いさみ著『世界史をつくった海賊』並びに『世界を動かす海賊』 |
(ちくま新書 2011年2月及び2013年5月発行) |
受賞者略歴: |
1952年生まれ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。 |
シドニー大学およびロンドン大学留学。国際関係史で博士号(歴史学)取得。 |
専攻は国際政治(海洋安全保障論)。 |
現在、獨協大学外国語学部教授。 |
受賞理由: |
現代の海運・物流にとって大きな脅威になっている「海賊」が、近代社会成立・発展の |
過程で英国などの覇権国家誕生の原動力になり、国際貿易・金融、多国籍企業といった |
現代に通じるシステムの成り立ちに深く関与していた経緯を述べるとともに、 |
現代社会の中での「海賊」の実態と具体的な対処方法について、現地調査を通して明らか |
にしている。また、海運と国際物流の重要性について業界や海事団体の紹介も交えて |
伝えるとともに、海賊の成立経緯、ソマリア社会の実情、国際社会及び日本政府の対応、 |
更には、民間武装ガードなどの撃退方法や今後のソマリアでの天然ガス開発に際しての |
国際協力などにも言及し、今後の「海賊」問題の解決に向けての処方箋を示していることを |
評価するとともに、海事交通文化の振興に寄与した著作として顕彰したい。 |
なお、論文賞については今回は「該当なし」とします。
本件に関するお問い合わせは、下記へお願いします。
一般財団法人 山縣記念財団 TEL(03)3552-6310
7月17日、当財団理事 山岸寬氏(流通経済大学流通情報学部教授、東京海洋大学名誉教授)執筆による『海運70年史』を発行し、海事関係団体・企業・図書館・研究者などに配本しました。関心をお持ちの方、お読みになりたい方は、下記までe-mail又はお電話にてお問合せ下さい。
一般財団法人 山縣記念財団
TEL: 03-3552-6310
E-mail: zaidan@yamagata.email.ne.jp
本書は山縣記念財団創設70周年を記念して発行するものである。当財団はわが国をはじめ諸外国の海運・港湾・物流などの実態を調査・研究し、その成果を外部に公表することを主たる目的としてきたが、近年では、大学や財団など各種教育研究機関と連携して、海運や港湾をはじめロジスティクスなど幅広い研究分野において、一段と積極的な研究活動を行っている。
ところで、本書の研究範囲は主に戦後70年間におけるわが国と世界の海運の動静を分析するものである。わが国海運は第二次世界大戦によって壊滅状態に瀕したが、戦後は経済の成長に伴い順調に回復してきた。特にわが国では1970年代以降国際海運活動において中心的な役割を担うほど急速な発展を遂げてきた。本論では、第二次世界大戦終結後におけるわが国海運を取り巻く環境変化について克明に分析するとともに、経営的側面からみたわが国海運会社の特徴についても詳細に考察する。
わが国の海運業は、1964年における海運集約体制の確立以来、ほぼ20年間にわたって政府による手厚い助成を受けてきた。その意味で、わが国海運業は被補助産業としての性格が強く表れていた。その後、1980年代後半に規制緩和策が採られて以来、企業に対する自己責任重視の中で、海運各社は独自の経営方針を決定してきた。その結果、わが国の外航海運業の国際競争力が低下するとともに、海運業の産業上の地位も相対的に下降した。
このようなわが国外航海運業の相対的地位の後退は海運を取り巻く環境の激変による。その最大の原因が円高の進行である。円高の結果、わが国海運会社の集荷力が著しく低下し、企業の採算は急速に悪化した。
円高の結果、わが国では経営規模の減量と合理化の促進という二つの問題を早期に解決することが必要となった。具体的には、適正な経営規模と効率的な事業運営という二つの政策目標が課題となった。それは、わが国経済における大量生産の時代が終焉したことを意味するとともに、外航海運業における縮小経営とリストラ(事業の再構築)の問題が急浮上したことを意味する。
これら二つの難問を早期に解決するための具体策として海運会社の経営規模や保有船舶の質的改善が緊急の課題となった。この場合、船隊や要員を削減し、企業規模の縮小を目指すことと、コスト高となった不経済船を処分し、効率的な輸送方法を確保することという二つの方法である。もちろん、このリストラ対策は余剰人員の雇用対策や陸上従業員の削減の問題と密接に関係したため、わが国海運業は過去において経験したことがないような複雑な経営問題を抱えることとなった。
具体的には、個別企業の立場からみると、かつての規模の大型化を目指す経営戦略から一転して規模の縮小を目指す経営戦略への転換を意味し、過去の経営戦略とは全く異質の戦略を駆使して輸送活動の効率化を目指すことを意味する。その場合、経営戦略の選択に際しては過去に経験したことがないような斬新な戦略を駆使することが要求されるようになったのである。
わが国外航海運業のリストラについては、数ある戦略の中で一部の大手企業が、資本の面や輸送活動の面においても、際立った貢献度を発揮してきた。集約期においては、中核6社を柱とする一部の海運会社がわが国海運の指導的な役割を担ってきた。そして、規制緩和後においては、しばらくの間、大手5社を中心としてリストラを図ってきたが、その後海運環境は激変し、1999年以来大手3社がわが国海運の中核を担うようになった。
この場合、リストラの具体的方向としては事業の新規開拓による企業業績の改善と経営基盤の強化が挙げられる。そして、その目的達成手段として経営の多角化や総合物流事業への転身が重視されるようになった。
定期船活動に関連する分野においては、米国内のダブルスタック・トレインによる複合輸送の充実や国内各地おける物流センターの整備をはじめ、関連企業の買収や代理店組織の自営化など巨額の費用を投じて大胆な経営戦略に着手するとともに、旅客輸送事業や不動産事業など海上部門や陸上部門の新規事業を開拓し、海運活動部門の補完的役割を担う部門として重視されるようになった。
そのほかに、経費の節約手段として、海運会社の機能分化が強まったことも極めて大きな進歩であった。具体的には、企業組織から船舶管理部門を分離し、より効率的な経営を目指す戦略が重要となったのである。
リストラの結果、わが国の外航海運会社全体の営業収入は1980年代以来長期間ほぼ横ばいの状態で推移してきた。経済規模が拡大する中で、わが国の外航海運会社の国際競争力の強化はほとんど不可能な事態に陥っていたため、わが国の海運環境は時の経過とともに悪化の一途をたどってきた。
その結果、わが国の海運構造は1980年代から1990年代にかけて激変している。それは1970年代から1980年代における英国海運の衰退ぶりを想起させるかのような深刻な事態に陥っている。
わが国海運の構造変化を象徴するものは、日本籍船の相対的シェアが低下し、外国用船の相対的シェアが急増したこと、そして日本籍船の積取比率が激減したことである。このように、わが国海運が自国籍船志向型から外国用船志向型に移行したということは、産業の空洞化現象が将来強まることを示唆していた。産業の空洞化現象があらゆる分野で強まる中で、海運業の空洞化率が際立って高い水準に達した。これは既存の海運経営からいち早く脱皮し、斬新な海運経営を構築することが必須の条件となったことを意味する。
1990年代におけるわが国海運の空洞化現象は、1)わが国における産業の空洞化の進展により海外進出、海外拠点、海外生産という三つの経営戦略が定着化したため、わが国の貿易構造が激変し、日本籍船による輸送活動が相対的に減少せざるをえない状況に陥った。
2)わが国を除く他のアジア諸国の経済が成長し、アジア地域に関係する製品や原材料物資が数量的に増加した。その結果、アジアにおけるわが国の相対的地位が低下したため、日本籍船による輸送量の伸びを期待することが困難な事態に陥っている。
本書では、前述のようなわが国海運の実態を踏まえて、第二次世界大戦終結後におけるわが国海運を取り巻く環境変化を時系列的に分析するとともに、わが国海運会社が採ってきた経営行動について考察する。
なお、本書は山縣記念財団の助成・支援を受けて発行することを付記しておく。
1971年 早稲田大学大学院商学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学
1971年 財団法人山縣記念財団専任研究員
1972年 東京商船大学商船学部専任講師
1985年 英国ウェールズ大学海運学部客員研究員、米国カリフォルニア大学
バークレー校交通工学研究所客員研究員
1987年 東京商船大学商船学部教授
1995-1996年 中国大連海事大学客員教授
1996年 財団法人運輸経済研究機構運輸政策研究所客員研究員
2001年 日本交通学会評議員
2003年 東京海洋大学海洋工学部教授
2003年 日本海運経済学会副会長
2005年 流通経済大学流通情報学部教授
2005年 東京海洋大学名誉教授
2007年 財団法人山縣記念財団理事(2012年一般財団法人となる。)
2013年 山縣記念財団より「山縣勝見賞」(功労賞)受賞
2013年 日本海運経済学会名誉会員
主な著書
『交通論』(共著)法学書院、2000年
『海上コンテナ物流論』成山堂書店、2004年
『現代交通観光辞典』(共著)創成社、2004年
『国際海運と国際物流の新地平~山岸寬教授退任記念論文集~』(共著)
山縣記念財団、2005年